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決勝戦レポートは
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検車場レポートprogram

  • 8/28 (前検日)
  • 8/29 (1日目)
  • 8/30 (2日目)
  • 8/31 (3日目)
  • 1R

     内藤秀久は、落車明けだった前回の地元、平塚でのオールスターを43397着。今シリーズは練習をともにする青野将大との連係で、オープニングの1レースに登場する。
     「青野とは(朝の)6時半に乗車で練習しているので、(1レースの)この時間でも大丈夫。オールスターが終わってからは、気持ちを切り替えてしっかりと練習してきた。あとは1、2日目が良くても、そのあとがどんどん落ちていく感じがある。体力的なものなんで、(体の)張りを維持しながらですね。(小田原記念決勝は地元勢で上位を独占して)自分も違う記念だけど、しっかりと結果を残したい」
     半年間のA級ライフを経て今期S級に返り咲いた藤田周磨は、3場所前の福井に次いで今期2度目のGIII。
     「7車立てはA級でも走っているんで、走りなれているところがある。9車は走っている回数が少ないので、苦手でもないけど得意でもない。まだわからない感じがありますね。展開とかも含めて勉強中です。脚自体はいつも通りの練習ができているんで悪くないと思います」
  • 2R

    石塚輪太郎選手

     昨年のオールスター以来、1年ぶりのGIとなった前回のオールスターを6628着。俊敏に立ち回って追い込んだ3走目から変化があった石塚輪太郎(写真)が、こう口を開く。
     「半年くらい前から自分のなかでやっていた乗り方とかセッティングを、オールスターの3走目から元に戻した。そしたら道中から楽だったし、4走目も8着だけど悪くなかった。(GIは)FIとはまったく別モノでスピード域も違う。それで自分の乗りやすい乗り方じゃないとキツいなって。(競輪の)レベルが上がって、それにつられて自分もやってみたけど、やっぱり自分に合ったモノがある。昔の乗り方に戻して余裕も出てきたし、もっと良くなると思います」
     渡口勝成は、前回の岸和田FIで2日目、最終日を連勝。3走ともに最終バックを取り、逃げ切りで白星を重ねた。
     「前回の岸和田は初日がもったいなかったです。そのあと2勝できましたし、状態は悪くなかったので予選はクリアしたかったです。前回が終わってから22日空いたので、右鎖骨を骨折した時に入れていたボルトを抜いた。そのあとはしっかり練習をしてきました」
  • 3R

    村田祐樹選手

     村田祐樹(写真)は、チャレンジを含めてA級では3度の優勝があるホームバンク。前回のオールスターでは初めてGIの舞台を経験して、今回は初の地元記念に挑む。
     「前回はオールスターを走らせてもらって、初めてG1を走れて経験になりました。まだまだ脚力が足りないなって感じたので、もっともっとつけていけるように。終わってからは少し休んで、長野で24日、25日に行われた競技の大会に参加しました。今回は初めての地元記念なんですけど、まだ記念の二次予選を突破したことがないので、今回は突破できるように頑張りたい」
     6月の奈良GIIIの3日目に落車に見舞われた兼本将太は、鎖骨骨折を負って復帰場所の地元、熊本FIで2日目に失格。そこからは1カ月以上が空いた。
     「(空いたのは)腰痛です。鎖骨のこともあったし、腰痛と様子を見ながらでした。違和感があったので、練習をやれる程度にはやってきた。ただ、練習とは全然違うので、レースを走ってみないとっていうところはあります。あとはしっかりと組み立てていければ」
  • 4R

     前回のオールスター4走目で通算500勝を遂げた山崎芳仁だが、GIを9度制している猛者だけにいたってマイペース。
     「(500勝の)1着は佐々木(悠葵)君のおかげだし、自分の脚の調子は普通ですね。500勝だけどあんまり気にしてないし、そこは通過点だと思っています。(オールスターのあとは)疲れを取りながら練習して、まだ疲れがあるけど大丈夫だと思います。(一次予選で連係する嵯峨昇喜郎は最近は)積極性があるし踏めている感じがありますね」
     今年の1月に1年半ぶりにS級にカムバックした坂上樹大にとっては、4年ぶりの地元記念。しかしながら、前回の松山GIIIでは落車失格を喫して、ここまで20日近く空いた。
     「(前回の落車で)ろっ骨が折れたけど、なんとか間に合った。(最初は)ローラーに乗って、そのあとモガきだして、1週間くらいですかね。(練習では)そこそこタイムが出ている選手とかとできたんですけど、本番になるとまた違うんで。前回失格しているんで、点数をなんとか稼がないと。初日が大事ですね」
  • 5R

    南潤選手

     前々回の別府記念では3日目に中止もあり、リズムに乗れなかった南潤(写真)だが、近況はFI戦線で成績をまとめている。前回の岸和田FIでも162着で2連対を果たした。
     「最近は成績通りで走れていると思います。戦法の幅が出ているって言うよりは、引かないところは引かないって感じです。以前だったら、粘られるくらいなら引こうっていうのがあった。でも、それじゃ戦えない。いままでやってこなかったんで、ヨコの動きができるわけじゃない。いきなりやろうと思っても無理なんですけど、自分の位置を取れるくらいは。自分のスタイルでやるためにはっていう感じです」
     邊見光輝は4場所前の平の補充も含めて、直近の6場所で8勝の固め打ち。競走得点も上昇カーブを描いている。
     「最近はFI戦で1着は取れるようになってきたんですけど、9車立ては難しいなって思っています。記念自体が久しぶりなので考えて走らないと。33バンク自体は嫌いじゃないですし、前回も小田原で33バンクだった。まずは初日を突破できるように頑張りたい」
  • 6R

    藤井侑吾選手

     GIではなかなか思うような成績を残せていなかった藤井侑吾(写真)は、前回のオールスターを3792着。4走で3度の最終バックを取り、最終日は突っ張り先行で根田空史を不発にして、番手の川口聖二とのワンツー。上々の手ごたえをつかんだようだ。
     「(オールスターでは)長い距離を踏んだんで疲れがあった。でも、そのあとはいつも通り練習もできたんで、もう疲れはないです。この前のオールスターでは最終日に突っ張って(ラインで)ワンツースリーが決まって自信になっている。それを記念でも出したい。ここ(富山)は優勝もしているし、その前の富山記念(21年決勝)では3着にも残っているんでいいと思います」
     5、6月のFIでまずまずの成績を収めていた坂口晃輔は、その後2カ月以上の長期の戦線離脱。復帰場所の今シリーズでのコンディションはどうか。
     「練習中に落車してしまって、休んでいました。診断名は頸椎狭窄(けいついきょうさく)からの頸椎損傷でした。ヘルメットが割れるくらいの衝撃で、落車した直後は握力が10キロくらいまで落ちてしまった。しびれとかもありました。本当は地元の松阪から復帰したかったんですけど、間に合わなかった。そこから練習して8、9割には戻ったと思うので今回はきました。練習とかでは駆け出しだったりも不安はなかったんですけど、レースはまた違うと思う。初日から緊張感をもって走りたい」
  • 7R

     今期はスタートが遅れた橋本壮史は、まだ2場所を消化したのみ。久々のグレードレースにもなるだけに、一次予選での立ち回りも注目される。
     「6月の福井が終わってから、胃腸炎になってしまって休んでいました。練習の感じはだいぶ戻っているんですけど、レースではまだまだですね。初日から石原(颯)君とは強敵ですね。逃げても簡単にまくられていますし、油断していたらカマされて終わったこともあります。なんとか力を出し切れるように頑張りたい」
     地元の伊藤健詞が3番手を固めて、番手には同地区で動ける太田竜馬。富山が初めての石原颯だが、33バンクでも攻略には前向きだ。
     「前回から24日空いたので、松山に行って練習したり、しっかりやってこられました。状態は悪くないと思います。富山は今回が初めてですね。33バンク自体は嫌いじゃないです。太田さんに任せてもらえたので、行けるところでしっかりと仕掛けたい」
  • 8R

    町田太我選手

     オールスター前のコンディションが一息だっただけに9818着は致し方ない町田太我(写真)が、そこから中10日。今シリーズは上積みが見込めそうだ。
     「(オールスターのあとは)しっかり練習をやってきたつもりです。防府に行ったり、街道行ったり、ウエートトレーニングをしたりしてきました。防府では今回来ている渡口(勝成)さん、(清水)裕友さん、(取鳥)雄吾さんとかとやってきました。みなさん強いんで刺激になっています。モガいている感じから、悪くないなっていうくらいには戻った。(初日は)車番を生かしたレースをしたいですね」
     今期S級にステージを上げた五十嵐綾は、今回が2度目の記念。FIながらも初日予選を連勝していて、ここでも好配当をメイクするシーンがありそうだ。
     「(一次予選は)少なからずどこかにチャンスが生まれると思う。そこを逃さずに行けるかですね。ただ、(町田と中嶋宣成が叩き合っても)その外を行けるかどうか…。(町田は)強いイメージしかない。(S級での手ごたえは)シリーズで1勝ずつできているっていうのはあります。あとは33バンクで初の9車立てなんで、後手を踏まないようにしたいです」
  • 9R

     落車明けだった前回のオールスターが5598着。後半を大敗が続いた三谷竜生は、シリーズの流れも影響したようで、次のGIを見据える。
     「前回は1、2走目を走って(展開なども)ツイていないなって感じだった。それでそのあともズルズルいってしまった。終わってから少し体調を崩してしまったので走ってみてですね。焦ってもダメだと思うので、いまは10月の寬仁親王牌に向けて、しっかりやっていけたらって思っています」
     東口善朋は、前回のオールスターで一次予選敗退。しかしながら、2着に入った最終日の4走目で好感触を得て、今シリーズの期待も膨らむ。
     「前回のオールスターはイマイチでした。短いクランクだったり新しいセッティングをやってみたんですけど、自分のペダリングができていなかったですね。でも、最終日に20年間使ってきた長さのクランクに戻して、次につながればと思って走ったら感じは良かったです。脚自体とかは問題ないので。今回は前回の分も頑張りたい」
  • 10R

    志田龍星選手

     富山出身の志田龍星(写真)にとっては、中部地区での記念以上の重みがある今シリーズ。だが、前回のオールスター954着の成績も加わり、コメントはいつにもまして慎重だ。
     「(オールスターが)だいぶ良くなかった。体調だったり、あんまり調整がうまくいかなかった。(オールスターまで)1カ月近く空いて目いっぱい練習して、調整しないで入ったのが。それが今回に出ればいいんですけど。(富山出身で地元ですけど)2割減くらいじゃないですか…。(今シリーズを含めて6場所連続でグレードレースで)このあとも(グレードレースが)続くけど、9車立てで勝ててないので感じも悪いです」
     志田の番手が巡ってきた井上昌己は、5月の全プロ記念から白星が遠ざかっている。
     「全プロ記念の1着は、たしか後藤(大輝)君がいたと思うんですけどね。(調子的には)ボチボチですよ。最近は練習がキツくなってきて、回復力がなくなってきている。そういう意味では(トレーニング内容とか)考え直さないといけない。(志田は)練習とかは相当、強いみたいですね」
  • 11R

     23442着とまとめた前回のオールスターの5走だったが、吉田拓矢の自己ジャッジは厳しい。今回はセッティング変更で上積みもありそうだ。
     「オールスターはいいところが、ひとつもなかったので悔しい開催でした。終わってからは少しリフレッシュして、そのあとしっかり練習してきました。今回はセッティングを少し変えます。前回の分も今回はいい走りができるように頑張りたい」
     一次予選は同地区の土生敦弘とのセット。近況はラインの先頭が少なくなってきた清水剛志が、番手での立ち回りにもやりがいを見出している。
     「動ける機会があんまりなくて、動ける時は動きたいっていう気持ちはあるんですけど。(人の後ろを回っている)いまの方が充実している。しっかりと付いていって仕事をしてって。一日、一日が勉強です。練習もしっかりとできているし、疲れの方も大丈夫です」
  • 12R

    古性優作選手

     *古性優作(写真)は、前回のオールスターを31421着。ファン投票1位に選ばれて、その期待に応える優勝で通算7度目のGI制覇を果たした。
     「(オールスターの決勝の窓場千加頼には)安心して付いていきました。競輪学校でのポテンシャルで言うと、もっともっとっていうのがあるんで。そのあと(自分の調整など)は大丈夫です。いつも通りです。ファン投票1位に選んでもらえて、(オールスターを)優勝できた。応援してくれるみなさんがいるんで、今回もちょっとでも車券に貢献できたらいいなっていう思いです。(シリーズが)盛り上がってくれれば」
     その古性とオールスターの決勝で激突した新山響平は、北日本4車ラインのアドバンテージを生かして風を切って3着に粘り込んだ。
     「前回のオールスターは仕上がっていたと思いますし、いい感じで走れました。初日は少し重たく感じましたけど、日に日に良くなっていったので調整もうまくいった感じです。決勝は3着でしたけど、自分のなかでは最終3コーナーでいっぱいで、そこからは気持ちと、体を使ってなんとか最後まで踏んだ感じでした。もう少し長く踏み切れるように。(今年のGIは)あと2つしかない。(次の)寬仁親王牌に向けて追い込んでいきながら、どっちか獲れるに頑張っていきたい」
     地元中部地区からただ一人、特選にシードされた山口拳矢。前回のオールスターは、5走目の3着がただ一度の確定板とあっては強気にはなれない。
     「(オールスターは)見ての通りですね。今年の成績もそうですけど、勝ち切れてない。それが気持ちの面で、良くない方にいってしまっている。1着が少ないので、勝つイメージがあんまりわいてこない。ただ、体調的には問題ないと思います」
  • 1R

    内藤秀久選手

     8番手の室井蓮太朗をけん制しながら、青野将大が青板3コーナー過ぎに出る。その上を赤板で室井が押さえて、さらに福元啓太が叩いて主導権。しかしながら、青野の巻き返しが早く、打鐘過ぎに踏み込む。抵抗する福元を青野が最終2コーナー手前でとらえる。南関ライン3番手の田中孝彦が藤井栄二に大きく張られて、けん制から戻った藤井が落車。3番手以下が離れて、神奈川コンビの直線勝負。番手の内藤秀久(写真)が、差し切った。
     「口開けのレースでめっちゃ緊張しました。GIとかで1レースとかはあるんですけど。初日の1レースはコンディションとかわからなくてデータが少ないなかだった。(打鐘過ぎの)青野君の判断は良かったと思います。(室井が)引き切る前の仕掛けだった。パーフェクトだったと思います。あの青野君のカマシまくりを、この33バンクで差せているので悪くないと思います」
     素早い反応からロングまくりで別線をねじ伏せた青野将大は、内藤とのワンツーで好スタートを切った。
     「取れた位置からっていう感じでしたけど、S取りが早い人も多かった。(5番手から先に切ったのは)ちょっとフタをされるのが嫌だったので先に動いた。(別線が)来なければ2周半いくのも別に嫌ではない。(打鐘3コーナーからすかさず巻き返したが)室井君が出させる感じだったので、引き切る前に行こうと。(最後の踏み直しの部分は)ちょっと出てからはあんまりというか、脚がなかったですね」
  • 2R

     切って出た石塚輪太郎が、南関ラインを受けて4番手。渡口勝成があおりを受けながらも、赤板1センター過ぎから仕掛ける。主導権の鈴木陸来がペースを上げて、両者の踏み合いで打鐘を通過する。最終ホーム付近で態勢を整えた石塚が、短くなった隊列を2コーナー手前からまくる。踏み勝った渡口をあっさりとらえた石塚が1着。
     「(別線の)内枠の2人が前を狙ってたし、(周回中に)後ろになったのはしょうがないですね。あとは切って相手の出方次第でした。あのまま鈴木(陸来)君が踏み勝てば内でと思ってたら、(鈴木と渡口で)やり合ってくれた。あれで外の3番手が降りてきて、どん詰まりのパターンが多いのでそこはしっかりとって。(まくりは)踏み出した瞬間に出られると思った。あとは岡崎さんに抜かれるかどうか。乗り方を(前回の3走目から)変えて余裕がある。戻したいまの乗り方が体に合っている。それに富山は、なぜかすごく相性がいい」
     地元の松田大まで流れ込んで、ラインで上位を独占。流れ込んで2着の岡崎智哉が振り返る。
     「スタートは滑ってしまったし、そのあとも追走で終わってしまった。リンちゃん(石塚)が頑張ってくれたんで、そのおかげですね。あんまり仕事をやるような展開ではなかったけど、自分は力添えができなかった。仕事がまったくできなかった。自分としては前よりは良くなっているけど、冷静に考えたらこれがいまの力かなと」
  • 3R

    西村光太選手

     中近勢が前団に構える。地元の村田祐樹は誘導との距離を取り、別線の反撃に備える。小池千啓に並ばれる前に、村田が踏み込んで突っ張る。一度は下げた小池は、赤板手前から再度スパート。小池は4番手までで、村田が風を切って打鐘を通過。そのままレースは流れて、中団で脚をためた兼本将太は最終バックでも動けない。逃げる村田の番手で間合いを取った西村光太(写真)が、直線で楽に追い込んだ。
     「(村田とは6月の四日市以来の連係で)村田君の先行に付けたのは初めてだった。四日市の時はまくりだったので、付きバテしないように踏み出しで遅れてしまわないように気をつけました。(最終)バックで離れそうになって焦って車間を詰めたんですけど、車間の空け方を考えないとダメですね。村田君が強かったです。最後は先行屋もタレてくるので、自分のスピード域になった。練習は結構できている。今回は中部の機動型がいっぱいあっ旋されているので、チャンスを生かしたい」
     初のホーム記念となった村田祐樹は、突っ張り先行でレースを支配。力を出し切って、ラインでの上位独占をメイクした。
     「(初めての地元記念で)とくべつ意識をしないようにと思っていましたけど、緊張感はありました。突っ張ったあとも後ろに気配を感じながらの踏み込みでしたし、もう1つのラインを意識しながらだった。それで自分のなかでは微妙なペースになってしまいました。もう少しスピードを上げきった方が楽だったと思います」
  • 4R

    纐纈洸翔選手


     青板バック手前で合わせて動く纐纈洸翔(写真)を制して、嵯峨昇喜郎が押さえに出る。が、畝木聖が突っ張って、嵯峨を阻む。浮いた嵯峨は中団まで下げて、4番手を纐纈との併走で赤板を迎える。畝木がペースを握り、4番手争いは決着がつかないまま最終ホームを通過する。1センター過ぎのブロックでようやく嵯峨をさばいた纐纈が、2コーナー過ぎに仕掛ける。纐纈が戸田洋平のブロックを乗り越えてまくり切った。
     「本当は前からが良かったんですけど、スタートで滑ってしまった。それでも中団だったら先に切る作戦だったんですけど。(結果的に嵯峨と中団争いになり)技術がない分、内を差したりして脚を使ってしまった。だた、あれで引いたら勝負にならないんで。嵯峨さんがどいてからは、すかさず仕掛けられたし余裕があった。(まくりの)出も良かったし、今日(初日)はアップの時から調子は良かった。(前回、初めてGIを経験して)赤板からハイペースだった。今日はそんな感じはなかった。(体は)軽くていい感じですね」
     前回が落車失格だった坂上樹大は、最終2コーナーで嵯峨に降りられて重なったが、そこをしのいで纐纈に続いた。
     「ああなったら(纐纈は)引けない。自分は(中団争いでの踏んだりやめたりで)キツかった。すんなりでどうかっていう感じなので。(嵯峨に)降りられたけど、(笹倉)慎也もいるしなんとかと。付いていけて良かった。正直、(体は)キツいけど、気持ちが8、9割ですね。状態は良くない。でも、今日(初日)走ったことでイケるっていう気持ちにはなっている」
  • 5R

     邊見光輝を出させずに、前受けから南潤が突っ張りそのまま先行態勢に入る。7番手に出戻りの邊見は、赤板1コーナーから巻き返す。それを察知して南もペースを上げて逃げて主導権をキープ。番手の山本伸一の付近まで迫った邊見は、最終1コーナーで力尽きる。バックからまくった金ヶ江勇気は一息。山本が、余裕をもって番手から差し切った。
     「(南)潤が2周半のところで1回突っ張って、もう1回ジャンのところで踏んだ時のダッシュが良かったですね。(最終ホームの邊見のところは)しっかり準備していた。33バンクですし、あまり大きくもっていっても内に入られる。今回は(前回の)オールスターで感じたことをと思ってセッティングを大幅に変えて、シューズも換えて走ってみた。けど、ちょっとダッシュのところが良くなかったので修正します」
     別線に隙を与えず、南潤が積極策で完封。地元の松崎貴久までを引き込んで、ラインで上位を独占した。
     「前を取って突っ張るつもりだった。(先行が有利と言われる)33バンクのメリットっていうのはあんまり感じないんですけど。しっかり(邊見の仕掛けを)見て余裕をもって合わせられた。本当はもっと(ペースを)落としてからカンって合わせたいんですけど、33バンクですしペースを落としすぎず早め早めに上げてっていう感じでした。ゴール前も(山本)伸一さんとの勝負だなっていう感じでしたし、そんなにズボズボいかれる感じはしなかったですね」
  • 6R

     安倍大成に突っ張られた染谷幸喜は、浮いた3、4番手から赤板手前で仕掛ける。息が合わず望月永悟は付いていけず、藤井侑吾が染谷を追いかけるように踏んで2コーナー過ぎに染谷を叩いて出る。中部ライン3車で出切り、坂口晃輔、地元の岩本和也が、藤井の加速に懸命に続く。車間が空いた4番手に青柳靖起が追い上げて最終周回へ。逃げる藤井の掛かりが良く、別線に出番はない。坂口も追走いっぱいで、藤井が押し切った。
     「早めに動かないと(隊列が)長くなって面倒になるから、行けるところからと思って行きました。そしたらちょうど染谷さんが行ったんで目標になった。(出てからは)後ろを確認してから、あとはペースでした。いざとなれば突っ張りもあるし、先行と名の付くものならなんでもできるように。(先行で)なにをするかわからない選手になりたい。雨が降って(バンクが)滑りそうで怖かったけど、体の方は問題ないです」
     練習中の落車で大怪我を負った坂口晃輔は、2カ月以上のブランクから復帰。ラインでの独占にまずは胸をなで下す。
     「出切ったら一本棒になるんだろうなと。もう(残り)1周は気が遠くなった。脚の余裕はまったくなかったです。岩本さんを確認して、地元の記念だし迷惑を掛けたらアカンと。付いていくのが最低限でした。実戦はキツくて疲れ果てました。復帰に向けていろんな人に世話になったので、まず1走してここから仕切り直しですね」

  • 7R

     石原颯、渡邉雄太の順で動いて、赤板手前で橋本壮史が仕掛ける。2コーナーで叩き切った橋本が主導権。打鐘で反撃に出た石原は空いた4番手に収まり、最終ホームを迎える。太田竜馬は内から渡邉に弾かれて態勢を整える。2コーナーまくりの石原をけん制しながら、逃げる橋本の番手の吉澤純平は3コーナーから踏み込む。石原は不発になり、直線で抜け出した吉澤が1着。
     「自分としてはオールスターで失敗していたので集中していました。(最終)ホームで来なくて、2コーナーで来なかった。変に車間を空け過ぎても来ちゃうと。難しかったですね。自分の判断としては横まで来られてしまって、前とも詰まってしまった。オールスターが終わって(吉田)拓矢とか(吉田)有希とかと練習して手応え的には良くなってきた」
     関東3番手の小林令は、吉澤に1車身半空いての2着。
     「駆け出しのところは感触は良かったです。(最終)バックで吉澤さんが車間を空けたので、バックを踏んで内に差してしまった。そこから踏み込んだのでキツかったですけど、道中の余裕はありました。シューズのサンとかセッティングとか変えて前よりはいいかなっていう感じです」
  • 8R

    五十嵐綾選手

     青板バック過ぎに町田太我が、中嶋宣成を突っ張り先行策。浮いた中嶋はラインのアシストもあり赤板過ぎに4番手に入るが、6番手の五十嵐綾(写真)が追い上げて打鐘。町田が果敢に風を切って駆けて、4番手の五十嵐は最終2コーナーから踏み出す。五十嵐のスピードが良く、逃げる町田を直線の入口でつかまえた。
     「(町田が中嶋を)踏ませながら出させるのか、突っ張るのかを見てしまった。4番手を確実に取れてないといけないんですけど。(6番手から再度踏み込んで)行ければそのまま行けるところまでと思ったけど、行ける感じがしなくて、とりあえず締め込みながら4番手でと。そのあとは風を受けてない分、人より脚が余っていた。結果、(町田に)全ツッパされているし、展開が向いた。リカバリーできたことは評価したいけど、先行する脚がほしいですね」
     五十嵐のまくりに開坂秀明が遅れて、町田の逃げを利した香川雄介が2着に入った。
     「町田も強かったけど…。距離的にも町田がもつ感じだったし、ペースだと思った。(五十嵐のまくりが)あんなに来るとは思わなかった。自分は余裕がないし、追走しているだけだった。体調的にはそんなに悪くないし、前向きにやるしかないですね」
  • 9R

    東口善朋選手

     赤板で3車が出切った北日本ラインの主導権。4番手に外田心斗だが、6番手の疋田力也が1コーナーで仕掛ける。櫻井祐太郎もペースを上げて、根本哲吏も打鐘付近で疋田をけん制。隊列は短くなって後方から、三谷竜生が反撃に出る。櫻井の掛かりは悪くないが、三谷がねじ伏せて最終バック過ぎにまくり切る。三谷に危なげなく続いた東口善朋(写真)が、きっちりと差し切った。
     「(三谷)竜生がさすがのスピードでした。細切れ戦だったので、ほかのラインの動きを見ながらでしたけど1着を取れた。(前回は最終日にセッティングを戻して)雑念がなくなった。いらないことを考えなくてすむ。自分のなかでも新しいものを試していきたい気持ちはあるんですけど、あまりにも感触が良くなかった。(前検日に誕生日を迎えたが)年も重ねていますし、伸びしろというのは難しいですけど、また最前線というかGIの決勝に乗れるように頑張りたい」
     後方に置かれた三谷竜生は、打鐘手前から踏み込んで別線をのみ込んだ。
     「並び的には一番嫌な形になりましたし、展開的にも一番嫌な形になった。けど、前が仕掛けてくれたので、そこに乗る感じで行けました。33バンクなのでコーナーで耐えられれば直線は伸びる。直前に体調を崩したわりには悪くないですね」
  • 10R

     誘導を残しながら志田龍星が下げる。藤原俊太郎、堀内俊介、太田龍希の順番で踏み込んで、志田にも早めにタイミングが訪れる。赤板手前から仕掛けた志田が、2コーナーで先頭に立ちラインの3人が出切る。中団でもつれながらも最終ホーム手前から踏み込んだ堀内のまくりは、番手の井上昌己の横までには至らない。差し脚を伸ばした井上が1着で人気に応えた。
     「(志田は赤板の)ホームで構えるのかと思ったら行ってくれた。さすがだなって思いました。(志田はスピードが)上がり切る前にニュートラルに入れた感じで、それであんまり良くないって感じてるんじゃないですか。(堀内俊介のまくりは最終)バックで見えたけど、スピード的には止まりそうだった。自分は意外にキツかったですね。脚がたまってない。(志田と)初連係だったんで緊張しました」
     ラインでの上位独占も志田龍星は、例によって控えめなコメント。2日目以降にプラス材料もあり楽しみだ。
     「(出てからは)あんまりいいペースじゃなかった。重たく感じたし、思ったより良くなかった。ただ、今日(初日)の1走で気持ち的には楽になった。オールスターが終わったあとセッティングをいじって、それにまだ慣れてない。(セッティングは)このままで体をそっちの方に慣らしていきたい」
  • 11R

    杉森輝大選手

     前受けの吉田拓矢は、徳島勢を受けて3番手。その上を近畿勢、さらに松本秀之介と出て、吉田はすかさず赤板2コーナーから巻き返す。別線のあおりもありながらも、最終ホームでは九州勢に襲い掛かる。2コーナーでは松本の逃げを吉田が仕留める。吉田に続いた杉森輝大(写真)が、交わしての茨城ワンツー。
     「たぶん(吉田)拓矢も迷いながらの仕掛けだったので、どうするのかなって見ていました。(最終ホームからは)うまくペースをつくっていってくれたので、ワンツーが決まって良かったです。体の感じが前回よりも良くて、今回の初日を迎えられた。うまくコンディションをつくりながら戦っていきたい」
     中団に固執することなくロングまくりを放った吉田拓矢が2着。
     「(踏みながら久樹克門を出したのは)流れをつくりたかったから。松本君も一気に行く感じじゃなかったので見ながらでしたけど、清水(剛志)さんに張られてキツかったです。出切ってからはしっくりこなかったですね。前回(2走目)は松本君にやられていたので、しっかりと力勝負がしたいと思っていた。松本君も自分たちの後ろを取って、力勝負をしてくれて勝てたので良かった」
  • 12R

    古性優作選手

     北日本勢が前団。突っ張る新山響平を外から強引に押し込んで、森田優弥が先頭に立つ。諸橋愛は付け切れず、3番手で立て直した新山は赤板1センターから踏み込んで主導権を奪い駆ける。打鐘2センターで森田に大きく張られた菅田壱道が追いかけるが、守澤太志は連結を外す。最終ホーム手前では単騎の山口拳矢が仕掛けて、その後ろには*古性優作(写真)。菅田が新山に追いついて、3番手以下は大きく距離が空く。最終2コーナーで3番手の森田をとらえた山口の上を迷うことなく古性が踏み込む。抜群の加速で北日本の2人に迫った古性は、スピードの違いであっさりとまくり切った。
     「いい意味で予想外の位置が取れた。(森田は)坂井(洋)君が番手に付いているので、カンナ削りで中団を取り合うのかと思ったら、叩き切ってしまった。それで反応が遅れました。ジャン過ぎの2センター辺りで行こうと思ったら、あおりがあった。そしたら(山口)拳矢とまったく同じタイミングに(仕掛けが)なってしまった。(結果的に山口を追走してからまくって)拳矢も(打鐘)4コーナーから踏んでたんで、2コーナーではまだ加速していた。(自分のまくりと)スピードが合ったけど、伸びていってくれた。展開が向いたけど、オールスターの勝ち上がりよりだいぶマシですね。あとは日に日に(トレーニングでの)筋肉痛が抜けてくれれば」
     突っ張り先行のパターンには持ち込めずも、打鐘3コーナー過ぎに叩き切った新山響平が2着。オールスター以上の好感触をこう振り返る。
     「前が取れると思ってなくて、(菅田)壱道さんが取ってくれたんで突っ張りたかった。森田に押し込まれて平らなところを走っていて、滑ったところもあった。(3番手で立て直してからは森田が)結構、流していたので、追い上げに来られる前にと思って踏みました。今日(初日)はタテに踏みたかった。坂井にもってこられて脚が削られたのもあって、最後はアゴが上がってしまった。カマシみたいに一定のペースで、踏み直しがきかなかった。もうちょっと強弱をつけられれば良かった。ただ、この9日間でフォームの改善がうまくいった。セッティングはいじってないけど、ペダルが軽く感じた。調子の上げ方がわかった感じがします」
     森田ともつれるシーンもあった菅田壱道だったが、新山後位を明け渡すことなく流れ込んだ。
     「(新山)響平が落ち着いて下げて、すぐに出ていってくれた。そこは森田君にからまれたのもあるしキツかった。響平には追いついたけど、次に来るなら古性君だと。3番手以降の気配がなかったんで、(新山と)決まったかなと思った。けど、古性の勢いが良かった。すんなり(番手を)回れてたら違ったけど、森田君にからまれた。番手を渡さないこと、そこだけは絶対にと思って集中していました」
  • 6R

    藤井侑吾選手

     周回中は3番手にいた森田優弥が前団との車間を空けて、そこに後方から上昇した近畿コンビが入る。5番手になった森田は、後方の藤井侑吾(写真)を警戒して、前の原井博斗もペースを上げずに赤板を迎える。一度、内に詰まりかけた藤井だったが、1コーナーで外に持ち出して仕掛ける。合わせて森田も踏み込むが、ダッシュを利かせた藤井のスピードが断然。打鐘3コーナーで藤井が先頭に立ち、西村光太は付いていけない。森田が番手に入り、吉澤純平が続く。藤井のカマシに森田は車間が空いて、4番手以降も離れる。逃げる藤井の掛かりが良く、最終バックでも詰らない。そのままセーフティーリードを保った藤井が楽に押し切った。
     「並び的には森田君(ライン)の後ろが良かった。その通りになったんですけど、みんな強いんで(勝負どころでは)一番後ろになってしまった。森田君に内に誘い込まれて、やっぱりなって感じにもなった。あとはあそこからはどんな形であれ行こうと思っていたんで、無理やり行きました。もうちょっとうまくペースにハメたかったですね。富山は走りやすいし合っているので、自分の感覚も悪くない。ただ、ラインで勝ち上がりたかった。自分が思うようなレースができていないので、そこら辺(組み立て)を考えていかないと」
     勝負どころの赤板2コーナー手前で森田が、藤井に合わせて踏み込む。森田にわずかに遅れながら続いた吉澤純平だったが、なんなく追いつき、前後の間合いを計り2着に追い込んだ。
     「(森田が踏み出した)そこだけだったんで、自分は森田の車輪だけを見てました。踏み出しで空いたけど、そのあとは大丈夫かなと。あとは森田が追いかけていって、追いつかなかったらどうしようっていう感じでした。自分としてはこの間(前回)よりはだいぶ余裕がある。セッティングも落車によってズレていたし、体もズレていたところがあった。あとは練習とレースでは違うんで、そこがどうかなと。でも、初日も余裕があった」
  • 7R

    杉森輝大選手

     坂井洋が誘導を残したまま引いて、青板3コーナー過ぎに中部ラインを送り出す。その上を石原颯が飛び出して先行策。3番手に纐纈洸翔が飛び付いて、仕掛けた五十嵐綾は外に浮いて打鐘を通過する。根本哲吏が連結を外し、1人になった五十嵐を坂井が追いかける。五十嵐が出切る前に坂井は、最終ホーム手前から発進。関東コンビが出切り、五十嵐、切り替えた小倉竜二になる。五十嵐はいっぱいで小倉が直線で追い込むが、杉森輝大(写真)が番手から勝機をつかんで予選を連勝。
     「坂井君に任せていたので、坂井君が行けるタイミングで行ってくれればと思っていました。付いていて余裕がありますね。脚の状態もいいですし、流れもいい。富山は相性もいいですし走りやすい」
     前団のスピードを確かめて1周を踏み切った坂井洋がまくりで2着。
     「五十嵐君がずっと斜め横にいた。自分のところに降りるのか、前に行くのかって思っていたんですけど。前に行ってくれたので追いかける感じでいきました。ちょっと今回は(体調的に)キツいですね。ちょっとVTRを見てフォームが悪いのか、なんなのか確認します」
  • 8R

    菅田壱道選手

     細切れ戦の4分戦で、菅田壱道(写真)が前団に構える。別線が順番通りとはいかずに、才迫開、兼本将太で切って、最終的に赤板1センターで出た志田龍星が主導権。菅田は一本棒の8番手になり、志田がペースで駆ける。菅田は最終ホームから踏み出す。2コーナーを立ち上がると抜群の加速で菅田が前団に襲い掛かり、坂口晃輔のけん制をものともせず一気にまくり切った。
     「組み立て自体は甘かったですね。ただ、風が強いなかで志田も2周で切っているし、慌てて追い上げに行くよりは早めに仕掛けて行った方がと。サラ脚だったのは自分だけなんで。(まくっていって)才迫のところを通過する前はヤバいかなっていうのがあったけど、(最終)2コーナーで踏んだら伸び方がすごかった。まくり切っちゃうっていう感覚だった。踏み出しが持ち味なんで、そこを集中すればもっといいと思う。守澤さんが言ってくれて前回のオールスターで使ったフレームから換えた。やっぱり守澤さんの言う通り、こっちの方が良かったです」
     北日本コンビの直線勝負。菅田に8分の1輪及ばずの守澤太志が、こう振り返る。
     「志田君もペースで駆けていて、(菅田が仕掛けて)行くとしても無理やりになったと思う。実際に(菅田)壱道が行ったところも無理やりだった。(最終)1センターくらいまではあんまり進んでなかったけど、そのあと一気に伸びましたね。バック線ではスピードに乗っていた。自分は前回よりは良くない感じがあるんで修正したい。踏み方とかですね、ちょっと一体感がない」
  • 9R

    青野将大選手

     青野将大(写真)に突っ張られた太田竜馬が下げた青板2センターで、村田祐樹が仕掛ける。カマした村田が主導権を握り、青野は4番手を確保。6番手に太田龍希、太田竜が8番手で打鐘を通過。最終ホームで太田竜が仕掛けて、太田龍も合わせる。さらに青野も仕掛けてまくり合戦。逃げる村田との車間を空けた山口と乗り越えた青野が1着。
     「(青板バックで太田竜と)思ったよりも踏み合いにならなかった。でも、(赤板)4コーナーでかなり上を(村田に)行かれたのでヤバいなって思ったんですけど。出切ってから(村田が)緩めてくれた。あとは後ろが来る前に仕掛けようと思っていましたど、(山口)拳矢君も前を残したい気持ちがあったと思いますし、そこで隙が生まれたのかなって。脚で勝った感じじゃなくてたまたまだと思う。持ち味の先行はできていないですけど、一発まくりではなくて、脚を使って位置を取ってからまくれているので悪くない」
     村田の先行策で*展開が向いた山口拳矢だったが、同期の青野のまくりに屈して2着。
     「(青野が太田竜を)突っ張ったあと慌てていかなくてもって思っていましたけど、(村田は)落ち着いて行ってくれた。青野さんは見えないところを来られてしまった。技術不足ですね。(村田は)初連係だったので緊張しましたけど、全然タレてくる感じもなかった。けど、自分が横に振れないところで来られてしまって申し訳なかったです」
  • 10R

    吉田拓矢選手

     青板4コーナーで金ヶ江勇気が押さえて、そこを渡口勝成が叩きに出る。しかしながら、金ヶ江も合わせてペースを上げて駆ける。打鐘3コーナーで小林弘和が、渡口を外に張る。空いたインを三谷竜生が突いて中団がもつれる。後方になった吉田拓矢(写真)は、最終ホーム手前からまくる。3番手から三谷が1コーナーで1車押し上げて小林をさばくが、小林、渡口が落車。2コーナーで吉田が前団をとらえる。関東勢を三谷が追いかけるが、前の2人との距離が空いたまま直線へ。追い込む諸橋愛を吉田が振り切った。
     「(別線の)動向を見て、隊列が短くなったところで(仕掛けて)行こうと。ちょっと仕掛けが遅くなったけど、行くところで行けた。ただ、余分なところも多かった。一番良かったのは渡口君(のライン)にスイッチしていければ。最後まで踏めたけど、バンクがガタガタでうまくスピードに乗せられなかった。脚は悪くないと思います」
     最終2コーナー手前での落車のアクシデントもあって、まくり切った吉田とマークした諸橋愛の後ろは圏外。諸橋が1輪差まで差し込んだところがゴール。
     「(吉田がバランスを崩して)いなるくなるなよって。でも、そのあとはさすがだった。勝負どころを見極めて、ここで行けばっていうところで行った。僕は抜きたかった。タイミング的にも(吉田)拓矢は(打鐘)4コーナーくらいから踏んでいるんで、拓矢はいいのかと。ただ、自分は残念って言うしかない。1周くらい行ってるんで差したかった。(3日目以降も)自分は踏み出し勝負なんで、そこさえ付いていければ」
  • 11R

    南潤選手

     スタートを制した新山響平が前受けから。青柳靖起を青板バック過ぎに新山が突っ張るが、青柳も下げずに両者の踏み合いで赤板に突入。2コーナー手前で青柳が後退して、新山が主導権を死守。南潤(写真)は4番手をキープする。新山が別線の仕掛けを警戒しながらラップを刻み、最終周回へ。詰める勢いで南が、バック手前からまくる。新山も踏ん張るが、直線半ばでもうひと伸びした南が1着。
     「(打鐘で車を外に持ち出しかけたが)正直、新山さんは余裕をもって回している感じだったので、(仕掛けて)行っても合わされるなって思ってしまった。レースが終わって東口(善朋)さんにはあれで良かったとは言われたんですけど、これからもっと上を目指すなら考えないといけない。あそこで行って押し切れるぐらいの脚をつけないと。脚を使っていなかったので、トルクをかけながら行けたので外に膨らまずに行けたと思います」
     タイヤ差で2着の新山響平のレース内容は申し分なかった。青柳との踏み合いで脚力を消耗したのが、ラストの直線で響いたのだろう。
     「青柳君のダッシュが良かったので、スパッと突っ張ることができなかった。それで(踏み合いが)長引いてしまったんですけど。(ペース配分としては)1回トップに入れて(スピードに)乗せて、へばりつかれないようにと思っていた。あとは南君を見ながら33バンクですし、ラインで決まるようにと。最終バックでは押し切れるかなっていう感じだったんですけど。ちょっとサドルを高くしてみた。もう少し伸びしろがあるのかなっていう感じです」
  • 12R

    古性優作選手

     周回中の隊列の順番通り動いたところを、前受けの石塚輪太郎が赤板手前から仕掛ける。坂上樹大はダッシュに付いていけず、打鐘2センターで叩き切った石塚に古性優作(写真)。3番手に藤田周磨が入り、最終ホームを通過する。5番手になった松本秀之介は前団との車間が空いて、詰めながらバック手前でまくり上げる。古性は俊敏に松本を振って、後続をギリギリまで引きつけて追い込んだ。
     「(仕掛けた石塚は)すごいいいダッシュだった。(小林令のけん制は)来る前に挙動でわかったので避けた感じでした。そのあとの(後ろに坂上がいないのも)わかっていました。7番(松本)がもうちょっと早く仕掛けて来るかと思ったら、しっかりまくり追い込みだったんで難しかった。坂上さんがいないので、(石塚)輪太郎とワンツーを決められれば良かったけど自分の技量不足です。自分に力があれば決められれるし、輪太郎が頑張ってくれたのに。今日(2日目)は重かった」
     古性のけん制で松本が膨らんで、最終4コーナーでできたスペースを井上昌己が追い込んだ。
     「(石塚と藤田で)モガき合ってくれたらチャンスだったけど、(石塚に)出られる想定もしていた。(松本は最終)ホームのところで関東勢と空いてしまってたんで、そこは反省かなと。追いついた勢いで(松本がまくって)スピードは良かった。(松本)秀之介が(古性のブロックを)予想以上に避けたんで、あそこを踏みました。自分は体がキツいですね。周回から変な感じがする。セッティングを変えたんで、踏むポイントが違っているんだと思います」
  • 10R

    石塚輪太郎選手

    菅田壱道選手

     埼玉コンビが前団に構える。誘導との車間を空けた太田龍希が、7番手から上昇した藤井侑吾を阻んで青板バックで突っ張る。浮いた藤井が下げて、3番手に石塚輪太郎(写真)、5番手が菅田壱道の周回中と同じ隊列で赤板を通過する。後続を一本棒にして太田が逃げる。打鐘4コーナー付近で森田が車間を空け始めて、2コーナー手前で菅田が仕掛ける。ほぼ同じタイミングで石塚がまくり、けん制しながら森田も踏み出す。まくり合戦を制した石塚が直線で先頭に立ち、後続を振り切って1着。
     「関東勢の前受けは想定内だったけど、藤井君の後ろ攻めは想定外でした。(太田は)すんなり引いてくることはないだろうなって。(太田がそのまま突っ張って)番手が森田君なんで、自分のタイミングで行って合わされたらしょうがないなって。(まくって行って乗り越えたけど最終)3コーナー過ぎに森田が復活してきた雰囲気もあった。昨日(2日目)は長い距離を踏んで残れているし、今日は1着が取れているんで調子はいいと思います」
     6番手からまくった菅田壱道(写真)は、石塚に合わされながらもコーナーに突入。直線でもう一度、力を振り絞り2着に入った。
     「藤井君は(ラインが)3車だし、(前受けから)全開で突っ張るのかなっていうのもあった。それでスタートに集中していたんで、前に出て良かった。(周回中に自分たちが一番後ろだと)突っ張られる方になってしまうんで。展開が向きました。森田君も車間をだいぶ空けてたのがわかった。石塚君も(タイミングを)うかがっていた。それを出し抜いて、先にまくってやろうと思ってたけど。全員が同じタイミングになってしまった。あの位置を取って(仕掛けを)待ってしまったら、自分だけは3着に入れるかもしれない。けど、(内藤に)付いてもらった以上は、それなりの走りはしないとって思っていたんで、内藤さんを連れて来られて良かった」
     菅田マークの内藤秀久は、最終4コーナーで山本伸一を押し込んで直線では狭いコースを突く。外を強襲した山口拳矢との写真判定にタイヤ差で勝った。
     「もう菅田に付いていくことだけを考えていました。いつも通り本能のままに動いたんで、正直、覚えてない。菅田君は何回か連係があるし、責任あるレースをしてくれる。やる時はやるんですね。自分は思ったより疲労がたまってない。昨日(2日目)は引きずりまわされたけど、ケアの仕方が良かったのか今日が一番良かった」
  • 11R

    新山響平選手

    守澤太志選手

     松本秀之介が南潤を押さえて、そこを新山響平(写真)が仕掛ける。新山は赤板1センター過ぎに主導権を奪い、出切った北日本勢に吉田拓矢が追走。風を切る新山が軽快に飛ばす。茨城3車で出て、松本が6番手で最終ホームを迎える。新山の掛かりが良く、中団以降の選手に出番はない。直線で守澤太志が差を詰めて、吉田も2センター過ぎから踏んだが、新山が振り切った。
     「(松本が南に)突っ張られても、ゆるんだところを行こうと思っていました。でも(出切ってから)松本君が結構、踏んだので、突っ張られるかなって思ったんですけど。スピードに乗せることができたので、スピード差が生まれた。(打鐘付近は)上を走っても面白いかなって。ペースは一定にって思っていましたけど、風の影響だったりコーナーの入り方とかで均等にはいかなかったと思うんですけど。最後はいっぱいでフォームが崩れてしまったんですけど」
     番手の守澤太志(写真)は、2車のラインで後ろが別線。吉田との間合いを計って追い込んだが、8分の1輪及ばず。
     「松本君が先に切っても、南君が(松本を)突っ張っても、新山君なら行っちゃうだろうなって。それぐらいの脚力差を考えて付いていました。(新山が)残り2周ですごい踏んでいったので、かなり脚を使っているのかなって思ったんですけど強かったです。車間を空けて張って、本気で抜きにいったんですけど抜けなかったですね。昨日(2日目)は良くないなっていう感じだったので今日は修正したんですけど、まだ良くなると思う」
     北日本勢を俊敏に追いかけた吉田拓矢は、打鐘では3番手単独になったもののそこから仕掛けられない。茨城3車ラインだっただけに、こう振り返った。
     「南君がヤル気やる気なのかなって思っていたら、あっさり引いた。展開的に厳しいなって思って、(北日本ラインに)スイッチしていきました。あとはどこから仕掛けるかだったんですけど。(最終)バックで(新山が)タレて来るかなって思ったら伸びていった。後ろの先輩2人に申し訳なかったです。昨日(2日目)まではいいかなって思っていたんですけど、今日で打ちのめされましたね」
  • 12R

    井上昌己選手

    古性優作選手

     青板3コーナー過ぎに飛び出した青野将大が、先行策に出る。赤板で青野ラインが出切り、坂井洋が4番手、古性優作は6番手。2コーナーから纐纈洸翔が巻き返すも、青野が好スピードで逃げる。打鐘4コーナーで古性が内を押し上げて、結果的には諸橋愛をさばいて坂井の後ろで最終周回。浮いた纐纈は不発。坂井が2コーナー手前でまくりを打つ。青野の番手で井上昌己(写真)が、坂井をけん制。坂井に続いた古性は、井上と坂井の間を強引に抜けようとして失速。早めに追い込んだ井上が、古性らの追撃を退けた。
     「(青野は)すごいいいペースで行ってくれて、有言実行の先行でした。古性が(最終)ホームで来るかなと思ったけど。(坂井のまくりは)見えていた。でも、古性がその間を来たのはわからなかったですね。あとは(最終)4コーナーの下りに入って、外を下られたらっていうのもあって踏みました。(青野が)2周半行って付きバテするかなって思ったけど、なんとかなったし(調子は)悪くないですね」
     要所、要所でズレが生じたのか古性優作(写真)は、接触もあり2着まで。3走を終えての状態をこうジャッジする。
     「赤板くらいで纐纈君がカマシに行くなって思った。そこ(のライン)にスイッチして叩けたらなと。ただ、青野君の掛かりが良くて、纐纈君が止まった。坂口(晃輔)さんに降りられないようにしていたら、メグさん(諸橋愛)のところまで行ってしまった。(坂井がまくっていったので)その上を行こうと思ったけど、スピードが合う感じだった。それで(あのコースに)吸い込まれていった。脚があればあそこを行かなくてもいいし、日に日に悪くなっている。正直、精神的にもしんどい状態で入っているので、精神的な疲労がたまっている。それでどんどんパフォーマンスが落ちていっている」
     青野ライン3番手の香川雄介は、古性に締め込まれて直線で内を踏まされながらも3着で優出。青野をたたえる。
     「(青野が)強かったね。あとは(井上)昌己のタイミングでと。古性が間を差してきて危なかった。僕は展開一本。たまにはいい思いでもしないとヤル気をなくしてしまう。あとは少しでもいい着を取れるように」

 情報提供:日刊プロスポーツ新聞社