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決勝戦レポートは
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検車場レポートprogram

  • 8/2 (前検日)
  • 8/3 (1日目)
  • 8/4 (2日目)
  • 8/5 (3日目)
  • 1R

    森田優弥選手

     森田優弥(写真)は実に3カ月ぶりの実戦復帰。長期欠場の期間で己を磨いて戻ってきた。
     「失格であっせんが止まってました。旅行に行ってリフレッシュもしてきたけど、なあなあにならないように練習はしっかりやっていました。初心に戻って練習できましたね。自分は計画的に練習するのは無理なタイプ。その日その日の練習をしっかりやっていました。戻ってこれたので、また自分らしいレースをしたい」
     大森慶一は6月松戸からのFI戦を3場所連続で決勝確定板入り。7月平塚FI決勝は空いた中のコースを鋭く突き抜けた。
     「調子が上がってきて、体が反応してくれてますね。練習をちょっとだけ変えたんですよ。マウンテンバイクで乗り込むのは続けてますけど、それに加えて心肺系の練習を取り入れたんです。レースが楽になって、余裕が出てきましたね」
  • 2R

    稲垣裕之選手

     父親が富山出身の稲垣裕之(写真)にとって、ここは地元同然のバンクだ。69、70周年大会を連覇した当大会に意気込んだ。
     「(富山は)地元みたいなものですからね。フレームやセッティングを試していたけど、だんだんと馴染んできてちょっとずつ良くなっています。畑段(嵐士)君とは(6月)取手、(7月)名古屋と連係してますし、いつも頑張ってくれます」
     堀江省吾は、今期から初S級に挑んでいる。7月青森FIでのS級初戦を振り返った。
     「初日はレースの流れに乗れなかったけど、2日目は良い競走ができたと思います。初勝利もできたんで。やっぱりA級よりもメリハリのあるレースをしないと駄目だなって思いました。9車立ては初めだけど、地脚なんで流れがあってペースが早くなるのは自分には向いていると思います」
  • 3R

     中釜章成(写真)は天性のダッシュ力を生かし、近畿の機動型として攻撃的なレースを続けている。一本欠場して迎える今場所のデキはどうか。
     「和歌山が終わって体調不良になったんですよね。でも、前に体調を崩した時よりも軽症だったんで大丈夫だと思います。その時は体重が5キロぐらい落ちたけど、今回はそうでもなかった。練習も3日ぐらいはできたんで」
     村田雅一が中釜を番手でリードする。
     「初日はガマ(中釜)ですか。ガマとは前回の(7月)和歌山で連係してます。その時は失敗したんですけど、それ以外でも何回か連係して1着を取らせてもらってますね。勢いあるんでね、しっかり付いて行きたい。一時期は落車続きだったけど、自分の状態も徐々に上がってきているので、調子は問題ないと思います」
  • 4R

     ケガの影響で大幅に調子を落とした瓜生崇智だが、前検日は明るい表情で検車場入りした。初日は気心知れた曽我圭佑の前回りを買って出た。
     「首と腰のヘルニアだったんですよね。一時は痺れが出るぐらい酷かった。でも、川崎にある有名な病院に行ってPRP注射を打ってもらったらかなり良くなったんですよ。(曽我)圭佑とは中学校からの同級生。野球をやっていた時も自転車を始めた時もずっと一緒でした。A級時代から何回か連係してるけど、今回は自分が前で頑張ります」
     中田健太は7月大宮FI、続く青森FIと連続準V。青森の決勝は他地区の松谷秀幸に前を任せ、ラインワンツーが決まった。
     「状態は見てもらった通りだと思います。青森の決勝は松谷さんに完全に連れて行ってもらった。なんで松谷さんに付いたの?っていろんな人に聞かれますね。6、7年前の小松島で3番手に付いて、先行してくれて1着を取らせてもらったことがあったんです。そういう縁もあって、今回も2着に連れて行ってもらって、良い競走ができて嬉しかったですね」
  • 5R

    松岡辰泰選手

     サマーナイトフェスティバルでは大敗を並べた松岡辰泰(写真)だが、ここは力上位の存在。不慣れな33バンク攻略に頭をひねる。
     「オールスターに向けて練習はずっとやっています。久留米記念ぐらいから腰はずっと張ってる感じですね。しっかりした休みが取れれば良くなるんでしょうけど。中15日空いたんで、ちょっとは良くなってるかなって感じ。9車立てで33を走ったのは今年の全プロが初めて。展開が早くなるし、激しくなると思うんでしっかり考えないと」
     磯島成介は6月宇都宮FI、続く久留米記念と連続落車。復帰戦の7月青森FIでは白星こそなかったが、感覚は取り戻したようだ。
     「落車が続いてかなり調子は落ちました。けど、骨折とかはなかったんで体自体は大丈夫です。前回の地元戦は初日で負けちゃったけど、2日目に自力を出してだいぶ感じがつかめました」
  • 6R

     サマーナイトフェスティバルを途中欠場した恩田淳平だが、7月伊東ミッドナイトFIで復帰。初日は1着でクリアした。
     「サマーナイトは体調がおかしくて、2日目は展開も良かったのに7着だった。おかしいなと思ったら高熱が出ちゃって。伊東ではちょっと力が入んない感じはしたけど、前は抜けてるんで大丈夫だと思います。気持ちを強く持って走りたいですね」
     川口公太朗(写真)は前回の7月青森FI初日に通算200勝を達成。その時に前を任せた志田龍星と、再び呼吸を合わせる。
     「ずっと脚は悪くなかったのに結果が出なかったんですよね。それで6月の大垣からセッティングを変えたら自転車が流れるようになってくれました。志田君は前回も頑張ってくれたんで、信頼して付いて行きますよ」
  • 7R

     佐藤礼文はじっくりと悩んだ末に、他地区の田口勇介の番手回りを決断。呼吸を合わせて勝ち上がりを狙う。
     「悩んだけど、自分でやったところで先行したラインに付いて行って4番手を取るぐらいしかできないと思うんで。それに、田口君とは前橋記念で一緒に走ったりして、レースを見ていても点数以上に強いのは知ってます。前の方に攻めてくれれば、なんとかなりそうだと思う」
     追加配分の土生敦弘だが、前回の福井記念を途中欠場している。成績面の波が大きいタイプだけに、今回の仕上がり具合はどうか。
     「福井記念は体調を崩しちゃったんで良くなかったですね。追加を受けたのも昨日(前検前日)で練習をしている時だったし、ちょっと走ってみないと分からない部分はあります。疲れは大丈夫だと思うんですけどね。富山は何回か走ってて、風は強いけど33バンク自体は好きなので。後ろが地元とかは辺に考えすぎずに、力を出し切ることに集中したい」
  • 8R

     藤井栄二は前回の福井記念で優出。準決こそ人の後ろを回ったが、初日、2日目と持ち味の先行策で勝ち上がった。その走りや、今までの走りが評価につながって、決勝は脇本雄太に前を任された。
     「福井の勝ち上がりはラインの方々のおかげだと思ってます。急に調子が良くなったとかではないので。脇本さんに、脚力とかではなくてレースの内容を評価してもらえて前を任せてもらえた。それはすごく光栄なことだったし、これからも頑張っていきたいと思えましたね」
     小堺浩二は当所のバンクレコードフォルダー。ここは中近ライン3番手の競走となる。
     「吉川(起也)君と2人の時は彼に前を任せるし、A級の時に優勝させてもらったこともあるんで、僕は3番手で大丈夫です。お互いに地元だし、良い連係ができればと思って。直前に腰に痛みが出て、ダッシュの部分がちょっと不安ですね」
  • 9R

     志智俊夫は小松島記念で着以上の動きを見せていた。続く7月玉野FIは欠場し、自身の状態をこう説明する。
     「小松島が終わって疲れが出たのか体調を崩して、それでも練習をやってたら腰痛が出たんですよ。小松島で力を出した分、ダメージが出たんですかね。練習自体は一週間ぐらいできましたね。欠場した分、日程が空いたし疲れはないです」
     松尾透は7月久留米FI、続く佐世保FIを連続優出とここに来て成績が急上昇。練習環境の変化が好調の要因だ。
     「去年ぐらいから不動會の練習に参加させてもらってるんですよ。今年の春先ぐらいに結果が出てくれればと思ってたら、最近出だしましたね。総合的に力が付いてきたと思います」
  • 10R

     井上昌己はサマーナイトフェスティバルをまさかの病気欠場。だが、復帰戦の7月小倉FIは優出と、上々の動きを見せた。初日は松本貴治との連係から勝機を見出す。
     「ウエイトの練習中に腰をやっちゃったんですよね。それでサマーナイトは欠場した。様子を見ながらって感じで練習はやってきました。最近の松本君は位置取りもやりますよね。前々に行ってくれると思うんで、信頼していきます」
     徹底先行で鳴らす中嶋宣成にとって、短走路は大歓迎といったところだろう。後ろに武田豊樹を背負ってのレースに、全力投球を誓った。
     「武田さんとは初めてですね。ちょっと今からドキドキしてますよ。スケートをやっていた時も、自転車をやっている今も、武田さんは神様みたいな存在なんで。富山は去年9車立ての開催を2回走ってます。33は先行して残れるし、どこでも好きですね」
  • 11R

    北井佑季選手

     北井佑季(写真)が予選のメインに登場。昨年11月の当所GIIIでは優出しており、Jリーグのカターレ富山時代を過ごしたこの地で、今年も激走する。
     「富山には3年間いたんで懐かしいですね。前回はミッドナイトでしたけど、終わってから関係なく立川で練習してました。ミッドの疲れとかは問題ないですよ。むしろ、33を走れたんで感覚をつかめたのは良かった。去年のGIIIで走った良いイメージはまだ残ってます」
     久米良は前回の7月伊東ミッドナイトFIで北井と対戦したばかり。決勝は番手で勝負し、肌で感じた強さをこう表現する。
     「北井君は点数よりもプラス5点ぐらいの脚があると思いますよ。犬伏(湧也)もそうだけど、思ってる以上に強い。付いてる方は追走技術でどうこうしようとか、そういうことじゃなくて、単純に脚力差がすごい。伊東の時とか、なんで俺は外併走しようと思ったんだろうってぐらい強かった。展開が回ってくれれば良いんですけどね」
  • 12R

    松浦悠士選手

     松浦悠士(写真)は68周年と71周年記念の覇者。得意と公言する富山バンクで、今年はどんな走りを見せてくれるのか。
     「33だし、踏み応えがあるから好きなんですよね。サマーナイトが終わったあとに、玉野で犬伏(湧也)君とか、河端(朋之)さんと一緒に練習してきました。自分の限界を超えるスピードを出し続けるような練習だったし、追い込み過ぎて体が壊れかけましたけどね(笑)。その疲れもあるし、どれくらい動けるかは分からない。けど、今回はしっかりタテで動くのがテーマにしたいと思ってます」
     郡司浩平が追加で参戦。サマーナイトフェスティバルは確定板入りがなかったが、大きな不安はなさそうだ。
     「サマーナイトの開催中に追加を受けて、時間もありましたし準備はできました。体的な問題はないと思います。前回も、最終日は自分の中では良い感じに駆けたつもりでしたし。周りの脚力が上がってきているのを感じてますし、自分ももっとあげていかないと」
     新山響平もサマーナイトフェスティバルから約2週間空いてゆとりのローテーション。練習はバッチリのようだ。
     「サマーナイトから空きましたけど、やすんだりはせずに追い込んで練習してきました。疲れはあるけど、その中で仕上がってきてくれればと思います。今回はシューズを新しくしてみようと思います。仕様は大体同じなんですけど、ちょっと硬めのものを使ってみます」
  • 1R

    坂本貴史選手

     青板ホームで動き出した坂本貴史(写真)が、バックで今野有樹を切る。すかさず森田優弥が押さえると、今野が巻き返して赤板2コーナーで前に出る。坂本は単騎の長田祐弥をさばいて関東勢後位を確保。3番手に入った森田は最終ホーム手前から早めの仕掛けに出て中四国勢をねじ伏せる。坂本は2コーナーで6番手からまくると、抜群の加速力で前に迫って、ゴール寸前で関東勢をとらえた。
     「森田君の後ろからって考えていました。フタをして駆けても面白いかなって思ったんですけど、とりあえず切ってからっていう感じで。余裕はあった。たぶん森田君は(最終)ホームから行くだろうなっていう雰囲気があったし、彼はそういう選手。神山(雄一郎)さんの口が空いていて、追いかける感じで行けました。あまり力まずに行けたので良かったですね。風は気にならなかったです」
     坂本のまくりを追った大森慶一が、微差まで迫って北日本ワンツー。
     「(坂本は)いい勢いだったので行くなっていう感じでした。余裕はあったんですけど、体がフワフワしてましたね。気温のせいだと思うんですけど吸い込む空気が苦しい。最後は(2)センターでちょっと迷って外だと思って踏んだんですけど悪くないと思います」
  • 2R

     佐藤幸治が4番手の堀江省吾にフタをして青板バックを通過する。佐藤は赤板目掛けて踏み上げて畑段嵐士を押さえて出る。外が開けた堀江はすかさず仕掛けて打鐘3コーナーで佐藤を叩いて先行。関東3車で出切って、最終ホームでは中団の車間が空く。堀江マークの久木原洋は畑段の巻き返しを2センターで外に張って阻むと、ゴール前で堀江を交わして自らの誕生日を1着で祝った。
      「(堀江が)A級の時からレースは見ていたし、同じ開催の時もあった。積極的なレースをしていたんで、(ここも)行ってくれるだろうなって信頼してました。中団を取れたのが大きかった。フタされたけど、佐藤君と畑段君で脚を使い合ってくれるなら、出切ったところですかさず行けば決まるなと思った。残り1周ぐらいで出切ったし、堀江君のいつもの距離よりも短いからワンツーだなって。直前にギックリ腰をやって、中5日はウエイト練習を1回やったぐらいなんですけど、踏んだ感じは問題なかったです」
     記念初参戦の堀江省吾は、持ち味を存分に発揮して2着に粘る好走を見せた。
     「前か後ろかと思ってたら、久木原さんがスタートで中団を取ってくれた。中団の組み立ては考えてなかったんですけど、フタされても切ったところをすかさず行けばいいかなって思ってました。佐藤さんが自分待ちみたいな感じだったし、すんなり出られて掛かりも良かった。めちゃめちゃ緊張したけど、S級の方が流れがあって走っていて楽しいです」
  • 3R

    笹倉慎也選手

     中釜章成が後ろ攻めから上昇すると、合わせるように中団から大川龍二も動き出す。中釜が青板バックで板垣昴を押さえる。中釜はスローペースのままでいると、板垣が打鐘で中団から仕掛ける。反応が遅れた中釜は北日本勢に出切られてしまう。中釜マークの村田雅一は最終1センターで切り替えると、2コーナー過ぎに自らまくる。村田が板垣をまくり切り、中近ライン3番手を固めていた地元の笹倉慎也(写真)が差し切って、波乱の決着となった。
     「最近の状態的にも付いていくことだけ考えていました。まさか抜けるとは思っていなかったですね。展開を作ってくれた中釜君と、村田さんに感謝ですね。(調子を崩した)原因はわかってきたんですけど、対処法がまだつかみきれていなくて。でも、昨日(前検日)の練習でなんとか付いていけるところまではもってこられたかなっていうのはあった」
     村田雅一は前が叩かれるピンチに自力を発動。タテ脚の健在ぶりを示した。
     「中釜君もダッシュに自信があるんで流していたんでしょうけど、ちょっと調子が悪いんですかね。ちょっと庄子(信弘)さんに(ブロックを)避けられてしまった。いつもだったらビビってしまって(仕掛けて)行けないんですけど、地元が付いていましたし行けるところまでと思って行きました。もう(最終2)センターでいっぱいでしたね。明日(2日目)軽くなってくれればいいですね」
  • 4R

    神田紘輔選手

     じわりと上昇した瓜生崇智が、青板3コーナーで伊藤信を切る。九州勢に続いた小畑勝広が赤板で叩くが、瓜生は番手に飛び付いて隊列がもつれる。後方に下げた伊藤は、チャンスを逃さず打鐘から踏み上げてカマシ先行。*神田紘輔(写真)とともに2車で出切って後ろを引き離す。神田が伊藤を交わしてゴールした。
     「しっかり前を取りに行ってからでした。展開的には向いたけど、伊藤さんにとっては距離が長くなっちゃいましたね。でも、さすがでした。後ろも気配はなかったし、最後はどっちかが1着だなと思って抜きに行った。練習は結構踏めていたので、もう心配はなかったんですけど、前回がああいう成績だったので。一走してもう大丈夫ですね」
     1周半を踏み切った伊藤信が2着。久々の先行で息も絶え絶えにレースを振り返った。
     「先行の組み立ては考えてなかったんですけどね。(隊列がもつれて)ああなったら行った方が堅いと思った。神田と一緒になると、アイツはいつも(最終)4コーナーを番手で回ってくる。こっちは意識してないけど、なんか毎回アイツにいい展開になるんだよね(笑)。直前に競技に行っていた後の競輪だったんで、ちょっと踏み方がおかしくなってる。踏み出しで出力が出すぎちゃって、(最終)バックではいっぱいだった。疲れ果てた状態で入っているけど、競輪に来たらいつも回復していくんで、悪いようにはならないと思う」
  • 5R

     小林稜武が青板バックで切って、磯島成介が赤板で叩く。松岡辰泰が2コーナーから早めに巻き返すが、磯島も合わせて踏んでペースを上げる。松岡は一旦中団外で小林と併走。最終ホームでは外併走からもう一度踏み上げて前に迫っていく。五日市誠の執ようなけん制をいなした松岡が、粘り強くまくり上げてゴール前の接戦を制した。
     「前が取れたら緩んだところからジャン目掛けていければって思っていました。結構、磯島君が踏んだんで。突っ張る気満々なんだなって思った。中団でツケマイ気味に休みながら行きました。結構キツかったですね。」
     松岡マークの柏野智典は、最終バックで外に張った五日市の内を進出。逃げる磯島とまくる松岡の間を踏んで、2着に入った。
     「(打鐘手前から巻き返した松岡の)判断は良かったんじゃないですかね。中団がちょっと空いていたんで、きっちり入って休むかと思ったら、外で休みながら行った。五日市君は余裕がありそうだったんで、いいのをもらったら厳しいかなって。(最終)3コーナーでコースを変える感じになった。(松岡に)当たるのも違うかなって思って、待って行きました。道中で苦しいところもなかったですし、悪くないかな。毎年、夏場になると良くなってくる感じなので」
  • 6R

     青板バックで吉武信太朗が、志田龍星を押さえてレースが動き出す。中四国勢に続いた朝倉智仁が赤板で吉武を切って、志田はすかさず巻き返す。朝倉も反応して踏み上げるが、志田が力ずくで叩き切って打鐘2センターで主導権を奪う。朝倉は吉川希望をさばいて3番手に入るが、そこから仕掛ける脚は残っていない。逃げる志田をマークした川口公太朗が差し切った。
     「(志田)本人のやりたいようにってことで、力勝負でって思っていました。付いていて苦しい感じもあったんですけど、駆け切ったところからは余裕はありました。でも、疲れがちょっと抜けてない感じもありますね。周回中からなんか疲れてるなって感じで。(セッティングを変えて)良くなったけど、まだもの足りないところはある」
     志田龍星は朝倉との力勝負を制して2着。出身地の富山で上々のスタートを切った。
     「朝倉君が緩めたところで仕掛けようと思ってました。(赤板)ホームで緩んだんで行ったけど、長くなっちゃったっすね。2コーナーの下りで加速して叩ければと思って踏んでました。緊張しましたね、やっぱり富山はいつも緊張しちゃう。ギアを変えるか迷ってるので、これから考えます」
  • 7R

    宮越孝治選手

     前受けの田口勇介が青板バックで岩本俊介を突っ張る。7番手に戻った岩本は赤板1コーナーからもう一度踏み上げて、4番手で口の空いた土生敦弘の位置に追い上げる。土生は6番手に下がってしまい、土生マークの宮越孝治(写真)は7番手外で川口直人と併走する大ピンチ。岩本が最終バックからまくると、佐藤礼文は2センターで大きく張ってけん制。この動きでガラ空きとなった内のコースを宮越が突っ込む。宮越が直線で外から田口を交わして1着をつかみ、満面の笑みを浮かべてインタビューに答えた。
     「(田口の突っ張り先行は)正直、想定していませんでした。(川口にすくわれそうになったが)1回川口さんの後ろで待とうかなとも思ったんですけど。(併走になって)土生君が仕掛けてくれれば付いていって勝負だと思った。最後は空きましたね。奇跡です(笑)。ここのためにあたためてあった自転車がバシッとはまった感じですね。(3レースで同支部の笹倉慎也が勝って)あれを見てパワーをもらいました。そこまで人気にならないと思ったんですけど、買ってくれている人がいたんで頑張りました。一戦一戦ですけど、あともう1回2着以内には入れるように頑張りたい」
     佐藤のけん制で岩本は大きく外に浮く。岩本の内を踏んだ鈴木裕が、直線伸びて2着に入った。
     「(田口ラインに)前を取られたらどうしようもないなって思っていました。でも、あそこ(残り2周半)から突っ張るとは…。でも岩本君が追い上げてくれたので。(最終)3コーナーは転んだと思いました。危なかったですね。バックを踏んでいなかったら落車していたと思います。でもなんとか車輪が抜けたんで良かったです。今日(初日)の展開は2着が精いっぱいでしたね」
  • 8R

    天田裕輝選手

     奥村諭志が青板3コーナーで藤井栄二を勢い良く押さえる。一瞬反応が遅れた幸田望夢だったが、赤板1コーナーで奥村を叩いて先頭に立つ。後方に置かれた藤井が打鐘4コーナーから巻き返すと、奥村も中団から合わせてまくり上げる。幸田の余力を見極めた天田裕輝(写真)は、かぶる前に最終バックから番手まくり。3コーナーで別線を合わせ切ってそのまま押し切った。
     「奥村君は突っ張られないようにってことで勢い良く切ったんだと思うけど、ちょっとこっちは焦った感じにはなりましたね。でも、幸田君がいい感じで駆けてくれた。藤井君と奥村君が一緒にまくってくる感じだったし、あのまま待ってるとコーナーの下りでのみ込まれちゃうと思った。それならと思って踏ませてもらいました。復帰してから調子が上がってる感じはあるけど、まだいっぱいいっぱい。そこは練習で上積みを作っていければと思う」
     関東ライン3番手の*大澤雄大が天田に続く。最終2コーナー手前で奥村をブロックする渋い仕事が光った。
     「ちょっとでもタイミングを遅らせられればと思って(奥村に)当たった。そしたら天田君もかぶる前に番手から出てくれて、自分は付いて行っただけですよ。ちょっと前はかなりセッティングに悩んでたけど、3場所くらい前から昔のセッティングに戻したら良くなった。そのセッティングじゃなかったら離れてたと思います」
  • 9R

     前受けの谷口遼平が、青板バックで成松春樹を突っ張って主導権を譲らない。成松は3番手外で併走し、菅原裕太は4番手内で松尾透とかぶって動けない。ペース駆けとなった谷口は、打鐘過ぎからしっかりと踏み上げて先行態勢。どんどん掛かっていく谷口の前に別線はなすすべがない。番手絶好で4コーナーを迎えた志智俊夫が、鋭く谷口を差し切った。
     「赤板でいいんかなって思いました。谷口君があそこから踏んでくれていたんで。もう成松君も脚を使って下がっていったんで、菅原君が来たとしても対応できるなっていう感じでした。(谷口は)ずっと同じようなペースで踏んでいって、来たら合わせるんだろうなっていう感じでした。1着を取れているので贅沢を言わずに。特に何も変えずにこのまま行ければ」
     谷口遼平は残り2周半から突っ張り先行に出て、完全にレースを支配した。
     「前が取れたら突っ張ろうと思っていました。風が強くてキツかったですね。どこも回っている感じですけど、ホームが向かっていたんですかね。(突っ張った)成松さんがずっと外にいたので見ながら、成松さんに叩かれないようにペースで(駆けた)。ジャンから徐々に踏んでいってラスト1周から全開で。(ラインの)3人で決まって良かったです。1着は取れていないですけど、踏むべきところで踏めているので悪くない。明日(2日目)以降も気持ちで負けないように」
  • 10R

    武田豊樹選手

     5番手から動いた中嶋宣成が青板3コーナーで松本貴治を押さえる。松本は車を下げるが、関東勢に続いた山田敦也と4番手内で併走する。中嶋は赤板2コーナーから一気にペースアップ。4番手を取り切った松本は、前と車間を切って詰めた勢いのままに最終2コーナーからまくる。いい勢いで迫ったが、これを武田豊樹(写真)が好ブロック。松本を3コーナーで仕留めた武田は、直線で前に踏み込んで1着をつかんだ。
     「(中嶋との)初連係はやっぱり、追い込みはプレッシャーがありますね。2分戦で走りづらさはあったと思うし、この暑い中、風も重くなってきて良く踏ん張ってくれました。もうちょっと単騎勢と(松本が)位置を取り合ってくれたらと思ったけど、中嶋君が強かった。年齢がいったところから追い込みになったし、日々緊張感を持ってやっている。中嶋君も自信のある戦い方をしてくれて良かった。4月のダービー前に鎖骨骨折をして思うような感じではなかったけど、2場所前ぐらいからいい感触があるし、頑張れる状態だと思います」
     中嶋宣成は「神のような存在」と話した武田の前で持ち味全開の先行策。援護を受けて自身も2着に逃げ粘った。
     「冷静に行こうとは思ってましたけど、武田さんが後ろだし、そうもいかなかった。正直、そこ(山田と松本の併走)は見えていなかった。(松本が)いい勢いで来たと思ったけど、武田さんが仕事してくれてるのが見えて、また頑張れました」
  • 11R

     北井佑季は青板バックで水谷好宏の上昇を突っ張る。水谷が下がって北井が一旦ペースを緩めると、後藤悠が赤板で勢い良く叩く。が、後藤マークの高橋陽介が離れてしまい、北井が番手にハマる。北井が打鐘過ぎに仕掛けて主導権を奪い返すと、ライン3番手の岡田征陽より後ろは大きく車間が空いて勝負あり。番手の神山拓弥も振り切って、北井が逃げ切った。
     「細切れ戦でしたし初手もわかりづらかった。ほかのラインも前に出ないとって考えていたと思うので、どっかのタイミングで来るとは思っていました。(後藤にハマったが)あそこ(打鐘)が踏むべきタイミングだと思ったので行きました。前回の伊東は追加だったんですけど、33バンクを走らせてもらったのでいいイメージで走れました」
     2着の神山拓弥は、ただただ北井を絶賛するのみ。
     「(北井は)すごいね、強い。(後藤が)あのスピードで来たんで1車か、2車かで3番手には入れるかなって。(打鐘で仕掛けた北井は)すごかったね。ほかにはいないタイプじゃないかな。眞杉(匠)とも坂井(洋)とも違うタイプ。ずっと踏んでいく感じですごかった。最後もタレないし。自分はもういっぱいでしたね。やっぱりオールドルーキーだからね。〝俺はこの道で生きていくんだ〟っていう覚悟を感じましたね。格好良かったです」
  • 12R

    眞杉匠選手

     スタートで出た郡司浩平が前受け。青板ホームで動き出した松浦悠士は3番手の新山響平にフタをする。併走を嫌った新山は7番手まで車を下げて青板4コーナーから巻き返す。新山が踏んだと同時に郡司は誘導を降ろしてペースを上げ、両者の先行争いになる。新山に踏み勝った郡司が駆けるなか、最後方で脚をためた単騎の眞杉匠(写真)が最終ホームで仕掛けて前に迫っていく。3番手から合わせてまくった松浦と眞杉で併走のまま3コーナーで両者は出切る。松浦をねじ伏せた眞杉が先頭でゴールした。
     「状態面が不安すぎて、どこまでやれるかって感じでした。完全に展開ですね。ラインがあったら思った通りには走れてなかっただろうなと思います。トークショーとかもあったし、体調を崩したりもして、半日ぐらいしか練習はできていない。早く寝てケアをしっかりしたいです」
     松浦悠士は後ろ攻めからレースを動かしてまくっており、状態面の不安はないだろう。
     「想定外の並びではありましたね。でも、郡司君が出ればあの並びもあるかなとは思ってたので。展開が向きました。眞杉君は外をう回して来ているし、強いっすね。出力自体は悪くないですけど、道中でスムーズじゃないところが何点かあった。疲れは特に感じなかったですね」
     松浦マークの小倉竜二は、佐藤慎太郎とのもつれもあり踏み出しに離れてしまう。外を踏み上げてリカバリーし、車間の空いた3着には入った。
     「(最終)1コーナーでバックが入った。あの間合いを詰めておかないと(佐藤)慎太郎に降りられると思ったし、詰めてやめたところから加速された。まあ、どこで何回バックが入っても付いて行かないといけないんで。状態は前回と同じくらいかな。少しシューズのサンをいじったけど、しっくりこないんでもうちょいいじります」
  • 6R

    松本貴治選手

     後ろ攻めの小林稜武が上昇すると、3番手から松本貴治(写真)が合わせて動いて先に切る。松本を小林が押さえ、堀江省吾は赤板手前から踏み上げて小林を叩く。堀江がそのままペースを上げて先行し、隊列は一本棒のまま最終周回。6番手の松本は2コーナーからまくってグングンと加速。4コーナーの下りを使ってもうひと伸びした松本が、関東勢を直線で抜き去って1着を手にした。
     「堀江君が先行すると思ってたんで、とにかく前に踏んでから仕掛けようと思ってました。思った以上に前が掛かってたんですけど、詰まったところを逃さずに仕掛けられたと思います。チェーンを新品に変えて、昨日(初日)みたいな違和感はなくなった。またいじるかは、クールダウンしながら考えたいと思います」
     2着に続いた小倉竜二は、松本のパワーを絶賛した。
     「2番車だったんで、中団から緩んだら行くって感じでした。でも、思ったよりもハイペースだったし、(最終)2コーナーで振られた時に(松本は)危なかったんだけどね。パワーで押し切ってくれました。4コーナーで上っていく感じもパワーがあった。自分は内で降りながら付いてっただけ。(シューズのサンを修正して)今日(2日目)の方が少し良かったかな」
  • 7R

    眞杉匠選手

     青板バックで菅原裕太が切り、中部勢が南関勢に続く。志田龍星が赤板目掛けて踏み上げるが、これを菅原が突っ張って両者で先行争いになる。眞杉匠(写真)は前と車間を切ってタイミングを計り、打鐘4コーナーから一気に巻き返す。志智俊夫のけん制を乗り越えた眞杉が、志田を最終バック手前でとらえてそのまま押し切った。
     「南関勢が踏むだろうと思っていたので、突っ張られ役は嫌だぞと思って前から行きました。踏み合うだろうなっていうのは想定していたので、思っていた通りになりましたし、落ち着いていきました。風は気にならないんですけど、バンクがちょっと重く感じますね。暑さもあって呼吸も苦しい。しっかりとケアをして明日(準決)に備えます」
     杉森輝大が眞杉に続いて準決に進出。
     「眞杉君が強かったですね。前のあおりを見ながら付いていったんですけど、(最終2コーナーから眞杉が)思った以上に伸びていった。もうちょっとセッティングを煮詰めないとなって感じました。ハイスピードだったんで、GIに向けてまた課題が見つかった。暑いですし、コンディショニングもしっかりして頑張りたい」
  • 8R

    坂本貴史選手

     田口勇介が谷口遼平をゆっくりと押さえて青板3コーナーで切る。中団は田口ラインに続いた朝倉智仁と谷口で併走となって隊列がもつれる。朝倉は打鍾前に外併走から無理やり仕掛けるが、合わせて田口も踏み上げる。田口と車間を切った坂本貴史(写真)は、朝倉をけん制してから最終2コーナーで番手まくり。まくりで迫った谷口を振り切って、先頭でゴールした。
     「(スタートで)後ろになったのはもうしょうがなかったし、それなら谷口君にフタをする感じで切ってから踏めば、中団がもつれてくれるかなとは思っていた。朝倉君がジャン過ぎに来たけど、そこは車間を切って振れば止まってくれるかなって感じだった。でも、もつれて谷口君に行かれるのが嫌だったし、田口君とも詰まってきたんで(番手から)出させてもらった。記念で連勝はなかなかないし、数字は結果ですけど、人の前でも後ろでもいい競走を見せてアピールしていきたい」
     中団にこだわった谷口遼平は、最終1センターから仕掛けて2着。後ろの浅井康太が赤板2コーナーで中田健太をさばいた動きに感謝した。
     「関東に前を取られるのが嫌だったので、スタートはしっかり出ました。(朝倉との併走は)あそこは引けないんで。浅井さんが後ろをさばいてスペースを作ってくれたおかげで余裕ができた。坂本さんは自分を見る前に番手から出た感じだったし、かなりキツかった。なんとか勝ち上がれて良かったけど、浅井さんのさばきのおかげ。番手まくりの坂本さんに迫れてるんで悪くはないです」
  • 9R

    大森慶一選手

     前受けの新山響平は誘導と車間を取って、青板バックで稲垣裕之を突っ張る。新山は強烈なダッシュで加速してから自身のペースで駆けていく。最終ホームで8番手から原田研太朗が仕掛けるが中団まで。新山が驚異的な掛かりでレースを支配し、最後は番手から迫った大森慶一(写真)がタイヤ差で交わした。
     「新山君がいつも通り得意パターンでやりたいって感じだったので。(青板バックで)稲垣さんが3番手に入ったのはわかりました。その後ろは見えていなかったですけど、残り2周からはかなりのハイペースでした。誰も来られないと思ったんですけど、もし来られたらと思って少し車間を空けていた。あまり空けすぎると離れてしまうんで。最後はギリギリでしたけどなんとか抜けました。昨日(初日)のフワフワした感じはなかったので、状態的には昨日よりいいと思います」
     2周半突っ張り先行の新山響平が2着。出切れず終わった初日特選の不安を払しょくする走りだった。
     「(久々に対戦する)森田(優弥)君もいましたし、しっかりと駆けようと思っていました。稲垣さんを突っ張ったあと、森田君が来ると思った。ゴチャついたらいいなって思っていましたし、稲垣さんもその後ろも確認できました。最後はちょっともたなかったですけど。やっぱり疲労が残っていていつもの感じじゃなかったですね。最後は残してもらった感じですし。昨日(初日)はサドルの高さとシューズを変えたけど戻しました」
  • 10R

    北井佑季選手

     残り4周半で動き出した小畑勝広が、先頭の北井佑季(写真)に並びかける。小畑は残り2周半で前に出ようと踏み合げるが、北井が突っ張って出させない。小畑は久木原洋に迎え入れられて3番手に入り直す。北井は後続を確認しながら、絶妙なペース駆け。打鐘で畑段嵐士が3番手に追い上げたタイミングでもう一度ペースを上げる。別線の巻き返しはなく、強烈な踏み直しを見せた北井が、番手の佐藤慎太郎すらも寄せ付けずに逃げ切った。
     「前を取って、奥村(諭志)君もすかさず来るようなタイプではないと思ったので、突っ張ってからうまくペースに入れられたと思います。突っ張るかどうかも含めて、走りながらどうするか考えてたんですけど、相手の切り方を見ながらうまく突っ張れたのかなと思う。(畑段は)出切ろうって感じではなかったのもありますけど、しっかりそこで踏み上げられました。33バンクなんで、4コーナーからゴールまでが短いのもあるし、別線に踏まされるような感じでもなかったので押し切れたのかなと思う。2周半を踏み切れる脚はあると思う。あとは同じような展開にならなかった時に、どう力を出し切るかだと思います」
     絶好の展開かと思われた*佐藤慎太郎だが、北井との差は2分の1車身しか縮まらず。まずはファンへの謝罪を述べる。
     「差し目で買っていたお客さんに申し訳ない。差しに行ったんだけど、踏み直しがすごかった。(最終)3コーナーでもう1回踏み直して加速して、差せないだろうなって。ペースも、北井の好きなペースにうまく入れたんだと思う。ああいうパターンで差せないことは多々あるし、苦手なパターンに入った。それにしても2周半行ってるのを抜けていないからね」
  • 11R

    松浦悠士選手

     磯島成介が青板バックで松浦悠士(写真)を切る。磯島ラインに続いた岩本俊介が叩きに行くが、磯島に突っ張られて出切れない。一瞬、内藤秀久にからまれた松浦だが、しっかりと4番手をキープ。岩本ラインは後退する。松浦は前と車間を取ってタイミングを計ると、最終2コーナーからまくり上げる。あっという間に前をのみ込んだ松浦が、余裕の1着で準決へ進出した。
     「しっかり好位を確保してと思ってました。岩本さんが先に切りに来たらどうするかとかいろいろ考えていました。(岩本が)叩き切ればスイッチして行くイメージはできていました。最終ホームから行けたんですけど、今日(2日目)は朝からあまり良くなかった。脚の感じは悪くないんですけど。アップの段階では改善できてはいたんですけど、安全策じゃないですけど、(脚を)ためていきました。修正するところはないと思うので、体調管理をしっかりしたい」
     松浦に続いた柏野智典は、細かい部分での修正点を挙げた。
     「要所でミスはありましたね。磯島君があんなに踏むとは思っていなくて(松浦と)口が空いてしまいましたし、(最終)ホームで松浦君がトルクをかけた時に対応しすぎちゃったというか、ペースが合わなくて。岡田(征陽)君を見ていましたけど、そんなにからみに来そうじゃなかったのでからまれずに行けましたけど。今回は新車を使っていたんですけど、パーツを組み替えたりもしてみて、うまくいかなかったので戻します」
  • 12R

    郡司浩平選手

     スタートで各ラインが前を取り合い、外枠の郡司浩平(写真)は後ろ攻めとなる。前受けした松岡辰泰は青板バックで郡司を突っ張る。郡司が松岡ライン後位に降りると、中嶋宣成が勢い良くカマシ先行。赤板でハイペースで飛び出した中嶋に対して、中団の松岡は大きく車間が空き、郡司は7番手に置かれる。そのまま隊列は動かず最終周回。松岡はようやくバックで前に追いつくと、その勢いのまままくって出る。郡司もさらにその外を仕掛けて迫っていく。松岡は恩田淳平のけん制を受けて失速するが、さらに上を踏み上げた郡司のまくりがゴール前で届いた。
     「前を取れなきゃ後方になると思っていたし、そうなった時点ですんなり出させてくれることはないなと思ってました。あの中でしっかり仕掛けて出ないといけなかった。(最終)ホームは仕掛けかけてやめましたし、松岡君がかなり中団で口が空いていたので、そこを追い上げるなり、もっとうまくやれたと思います。苦しい展開でなんとか1着を取れたけど、準決や決勝だと届いていない。自転車の調整もそうだけど、ウォームアップとかを考えてコンディションを良くしていきたい」
     直線では接触があって、松岡が落車し青井賢治も乗り上げる。郡司マークの渡部幸訓もからんで車体故障を起こし、伸びを欠く。中嶋マークから直線で前に踏み込んだ恩田淳平が2着に入った。
     「スタートで後ろにならないように、前でもいいかなって感じだったけど、郡司君に中団を取らせないようにと思って中団からだった。(松岡が)突っ張るのは想定外だったけど、中嶋君がうまく持ち出して行ってくれました。(中嶋は)結構踏んでもつのかなと思ったし、相手も強烈なんで、冷静じゃなかったと思う。でも、しっかり行ってくれたおかげ。チェーンと小ギアを新しくしたらゆとりがなかった。チェーンだけは変えようか考えてます」
  • 10R

    浅井康太選手

    佐藤慎太郎選手

     前受けの新山響平が、青板バックで森田優弥の上昇を突っ張る。森田はそれでも踏みやめず、両者の踏み合いになる。森田を突っ張り切った新山が若干ペースを落とすと、中団に追い上げ気味に仕掛けた谷口遼平はその隙を逃さずに一気にカマす。打鐘過ぎに谷口が新山を叩いて先行態勢。浅井康太(写真)は車間を切って別線をけん制する。浅井は最終3コーナーからタテに踏んで、直線で抜け出した。
     「新山がもう一回来ると思ったし、(前に踏むか)難しい判断でした。(谷口)遼平も3コーナー手前くらいでタレてきてる感覚があったし、新山の影が見えた。森田君もいるし、恩田君も脚があるんで。今日(3日目)はもう遼平が良いレースをしてくれた。自分も調子自体は上がっていると思います。向日町の前ぐらいにケガして、それが初日が終わってからちょっとずつ良くなっている。ケアをして決勝に備えたいと思います」
     谷口ラインに叩かれた新山は4番手に入り直す。最終バックでもう一度仕掛けると、佐藤慎太郎(写真)はすかさず内に進路を取り、村田雅一をすくって浅井に続いてゴール。接触した村田が落車して審議対象となったが、判定はセーフで2着で決勝進出となった。
     「谷口君が来たところであおりを作っておけば、もっと楽に(新山)響平を迎え入れられたのかなと思う。あのパターンで来られたこともなかったし、難しかった。でも、今日(3日目)は機動型の選手がみんな良いレースをしたよね。一競輪ファンとして良いレースだったと思う。本当は響平と村田の間を踏むのがセオリーなんだけど、浅井がフラフラしてたからやめとこうと。村田が空けなかったら終わってた」
     4コーナーの落車を避けた恩田淳平が伸びて3着に入った。
     「新山君の最近のレースを見てると突っ張りだったし、本当は前の方からが良かったけどどうしようもなかった。森田君が気持ちを強く行ってくれたおかけです。森田君は最終ホームでももう一回行ってくれたけど、(佐藤)慎太郎さんのところで止まっていたんで内に切り替えた。落車はあったけど、よくレースは見えていたと思います」
  • 11R

    眞杉匠選手

    松浦悠士選手

     後ろ攻めから上昇した磯島成介に対して、先頭の眞杉匠(写真)は青板バックで突っ張る素振りを見せる。それでも磯島が強引に踏み上げると、眞杉は車を引いて3番手の位置に収まる。7番手に置かれた松浦悠士は、打鐘手前で磯島成介がスパートしたタイミングで内を進出。するすると位置を上げた松浦は杉森輝大を内からさばいて眞杉後位を確保する。眞杉が最終ホームから仕掛けると、松浦は離れ気味。松浦が2センターで追いついて直線詰め寄るが、眞杉が差し切りを許さず押し切った。
     「(磯島を)突っ張ろうと思ったんですけど出られてしまって。甘かったです。ジャンで行こうと思ったんですけど、前が同じタイミングで踏んだんで行けなくて。それで詰まったら松浦さんにしゃくられた。(押し切れたのは)1周だったんで。感触的には(2日目までと)変わらずですね。自分のやりたいレースができていないんで決勝はできるように」
     隙のない立ち回りを見せた松浦悠士(写真)が2着。前回覇者が決勝へと駒を進めた。
     「あの展開は想定していたんですけど、さすがにあの感じで2周半はないと思ったので。ジャン前の2コーナーから(外を仕掛けて)行こうと思ったんですけど、一緒に踏まれたので内へ切り替えました。眞杉君の所まで行ければ良かったんですけど、眞杉君と目が合った感じがして杉森さんの所になりました。ちょっときつくて離れてしまって。(最後は)眞杉君のフォームを見たらまだ余力がありそうでしたし、強かったですね。感触的には昨日(2日目)の方が良かったですね。スピードの乗り的にも。ちょっとアップ方法を変えて調整します」
     小倉竜二が松浦をマークして続いた。
     「ちょっとやばい感じになりましたね。ジャンで内に行ってくれと思ったところで行ってくれたんで。隙がないですね。(松浦が杉森をさばいたあと)眞杉君がすぐに行ったんでホームはきつかったんですけど。内は空けないように付いていきました。余裕があれば車間を空けて抜きに行きたかったんですけど、今回の状態的にも3着キープっていう感じでしたね」
  • 12R

    北井佑季選手

    郡司浩平選手

     誘導と車間を切った北井佑季(写真)が松本貴治を突っ張る。突っ張った北井が一旦ペースを緩めると、畑段嵐士が青板2センターから仕掛けて一気にカマす。京都勢を受けて3番手を確保した北井は最終ホームからスパート。1コーナー過ぎに先頭に立って、郡司浩平と共に2車で出切る。4コーナーから前に踏み込んだ郡司だが、北井の踏み直しも強烈。迫る郡司を振り切って、北井が2日連続でSS班から押し切った。
     「一個突っ張るのはプラン通りでしたけど、突っ張った後に後ろで併走してるのが見えて流したところで(畑段に)来られた。突っ張って前々に踏んでいた結果、良い位置に入れたと思います。あとは行ける所からでした。あんまり自分が風を切っていないのもありますし、押し切ったことよりも、出られた後の対処をうまくできたことの方が収穫だと思います」
     郡司浩平(写真)は松本をけん制して北井を3番手に迎え入れる動きが光った。最後は差し切れなかったが、素直に同県の仲間の成長を喜んだ。
     「スタートで出て、北が入れてくれる感じだったので前からになりました。内も気になってはいたんですけど、松本君を張りながら。後は北井さんの行ける所からでした。緩急がありましたし、バックでも誰も来れないだろうなって感じでした。僕はいつもの感じで抜きに行ってますし、それで差せてないってことは北井さんの力が付いてきているってことだと思います。あの感じなら、もっと上のクラスでもラインでゴール前勝負ができると思いますよ」
     突っ張られた松本は岡田征陽をキメて神奈川勢を追う。柏野智典は4コーナーで松本の内を踏んで3着に入った。
     「一番嫌な形でしたね。北が前を取りそうだったんで、それなら後ろ攻めで良いと思ったら、北井君ラインが前になっちゃったんで。もうそこからは松本君に任せてだった。北井君が掛かっていたし、バックぐらいではタレないだろうなと思った。松本くんも飲み込む力は残ってないだろうし、内に行く準備をして。余裕はありました」

 情報提供:日刊プロスポーツ新聞社