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開設69周年記念 瑞峰立山賞争奪戦 2020年8月2日

稲垣裕之(京都)

同郷同期の絆で稲垣裕之がV

 同県同期の固い絆で稲垣裕之が久しぶりの栄冠をつかんだ。前回りを志願した村上博幸が奇襲のカマシ先行。その気持ちに応えるべく、別線の反撃に合わせて全力でペダルを踏み込んだ。
 「(村上の)気持ちがうれしかったです。(番手から)出て行くかどうかの判断は難しかったですね。やっぱりこれまで(村上は)僕の後ろで我慢させることが多かったし、なかなか思うように走れなかったこともあると思います。こうやってどんな並びでもしっかり走ってくれる。これが近畿の層の厚さですね」
 決勝には近畿勢が6人進出。7車立てで別線勝負になるのは仕方ないが、地区全体の総合力が上がっているのを感じている。
 「6人決勝に上がれるのがいまの近畿の力ですね。同地区で別線勝負はやりづらいですけど、そこは割り切って力勝負をして。みんなで切磋琢磨して、さらにレベルアップしていきたいですね」
 この優勝で次走の名古屋オールスター、来月の向日町記念に向けて弾みがついた。
 「近畿には脇本(雄太)というすごい選手がいるし、自分ももっと頑張らないといけないないと思います。もっと力をつけて、近畿勢を盛り上げていけるように」
 この開催の直前に43歳を迎えたが、闘志はまだまだ健在。2度目のG1制覇を目指して進化を続ける。

 目標の元砂が厳しいと見るや自ら外を踏み上げた椎木尾拓哉が2着に。
 「(村上の)カマシがちょっと予想外でしたね。あれで(元砂は)慌ててしまったところもあると思います。ちょっと厳しいと思って、外を踏ませてもらいました。伸びは良かったし、今回は尻上がりに感じが良くなりました」

 後方6番手に置かれた松岡健介は3着に入るのが精いっぱいだった。
 「僕はまずは元砂と勝負、そのあと村上や吉田と考えていたので、思っていたのと違いました。色んなレースを想定したけど、判断ミスというか、まさかの展開でちょっと見てしまった。吉田も仕掛けて前が併走になっていて、踏むところがなかったです」

 村上博幸は盟友の前で驚きの先行策に打って出た。
 「3番手に入って、あれで誰か後ろからカマして来て、それにスイッチするのが好きなんですけどね。かぶってしまうと思ったので、行きました。ペースに入れて残るようには駆けているけど、先行選手じゃないですからね。あとは稲垣さんの判断に任せて。稲垣さんは苦しい時期もあって、一生懸命やっているのでずっと見てきたので」

 元砂勇雪は初の記念決勝で持ち味を出し切れなかった。
 「松岡さんを意識していて、(村上)博幸さんは3番手でまだ来ないかなって思ってました。先行したかったんですけど、難しいですね。3番手に入ってすかさず仕掛けたんですが、(稲垣に)出られて厳しかったです」

レースプレイバック

 号砲で出た松岡健介がスタートを取り、村田雅一との兵庫両者が前受け。単騎の吉田敏洋が3番手で、村上博幸-稲垣裕之の京都同期コンビが4、5番手。元砂勇雪-椎木尾拓哉の奈良・和歌山コンビが後ろ攻めで周回を重ねる。
 青板の1コーナーから元砂が上昇し、バックで松岡を押さえる。切り替えた村上が3番手に続いて、5番手に吉田。松岡は6番手に下げて赤板を通過する。先頭の元砂が後方を警戒する中、村上は2コーナー手前から加速すると、打鐘で一気に元砂を叩いて先行態勢に。3番手にはまった元砂は最終1センター過ぎから反撃に出るが、稲垣が合わせて2コーナーからまくり出す。椎木尾もバックから自力に転じて稲垣に迫ったが、稲垣は力強く振り切ってVを飾った。2着に椎木尾が入り、大外をまくった吉田の内のコースを踏んだ松岡が3着でゴールした。

開設68周年記念 瑞峰立山賞争奪戦 2019年9月1日

松浦悠士(広島)

松浦悠士が通算3度目の記念V

 茨城3車に、中国コンビ、単騎の自力選手が4人。超細切れの難解レースでも、松浦悠士は思い描いていた完ぺきなレースを成し遂げた。
 「スタートで中団だったので、(吉澤純平を)単騎の誰かが切ってくれるだろうと。(田中晴基が)早めに動いてくれたから、よしよしと思いましたね。(自分が先頭に立ってからは)吉澤さんはしっかり仕掛けてくる選手だから、踏んで合ったところでって思っていました」
 茨城ラインの3番手に飛び付くと、最終ホームから仕掛けてきた渡邉一成に合わせて一気にスパート。バックでは番手まくりの杉森輝大も加わって、3車のまくり合戦を制した。
 「(渡邉)一成さんが見えたので行きました。杉森さんも行くだろうとは思っていたけど、自分で仕掛けようと決めていたので。このメンバーで人気にもなっていたし、期待に応えられて良かったです。しっかりレースをしたので、内容にも文句はないですね。小倉(竜二)さんともワンツーだったし、最高です」
 現在、賞金ランキングで7位に付ける松浦にとって、今回が今年2度目の記念制覇。少しでも賞金を上積みたい状況ではあるが、タイトル奪取にも期待がかかる。
 「自分だけの力でG1を獲るのは難しいから、ラインの力で獲りたいですね。そのためにも、G3は自力で獲れないといけないと思っているので。しっかり自力で勝ててうれしいです」
次走は12日後に迫る共同通信社。年末の大舞台を目指して、結果を残す。

 松浦を巧追した小倉竜二が2着。中四国ワンツーが決まった。
 「車番が悪かったので、(スタートは)出てからどうなるかなと。茨城勢の二段駆けは見え見えでした。松浦君が3車のまくり合戦を良くまくり切ってくれました。(自分は)松浦が(杉森と渡邉の)間だったから、タイミングが取りづらかった。(準決勝で松浦から)千切れたので、2着をキープできて良かったです」

 田中晴基は初手8番手の位置から先に動いて松浦ラインを追走し、確定板入りを果たした。
 「2分戦だったので、茨城勢と中四国勢のラインの間に単騎の誰かが入るだろうと思っていたら、自分を含めて単騎4人がみんな後ろでびっくりしました。誰も動かなかったら、このまま茨城勢が駆けて何もせずに終わると思ったので、自分がレースを動かそうと。結果的に動いて正解だったけど、欲を言えば、どこかでまくりに行きたかったですね。でも、そういうチャンスはなかったですよね。自分でやるからには何かしようと思ったし、動いて松浦君のラインを追うことができての3着だしやった方だと思います」

 最終バックから番手まくりに出た杉森輝大だったが、松浦に飲み込まれて4着でゴール。
 「(渡邉)一成がホームから来たのは分かったけど、松浦が真後ろにいることは分かってなかったです。一成だけ見ていたから、ガッツリではなくて4コーナー勝負って思ったら、松浦が来てしまった。焦って踏んだけど遅かったですね。また茨城勢で連係できれば頑張りたいです」

 動いた田中晴基に続き、直線で鋭く伸びた中本匠栄は5着。
 「田中さんの位置(松浦ライン3番手)が理想だったけど、田中さんが切った上をさらに切る勇気がなかったです。あそこですよね。ダービーの決勝に乗った選手と、久しぶりに記念の決勝に乗った選手の経験の違いですね。せっかく決勝に乗ったのに消極的なレースをしてしまった。もったいない。でも、記念の準決が壁になっていたけど乗り越えられたし、またひとつ、ひとつ頑張るしかないですね。やってきていることは間違っていないと思うので」

 最終ホームから仕掛けた渡邉一成は、3車併走の大外となり7着に敗れた。
 「詰まったところから行こうと思っていました。結果、3車のまくり合いになったから、脚力順になりますよね。番手まくりをまくるにはもう1車、2車前にいないといけなかったです。小倉さんの横までのスピードは良かったけど、コーナーに入ってスピードがあってしまいました。力負けですね。完全に」

レースプレイバック

 松浦悠士とのスタート争いを制た武田豊樹が同県の後輩2人を迎え入れる。隊列は吉澤純平-杉森輝大-武田、松浦-小倉竜二、浅井康太、渡邉一成、田中晴基、中本匠栄の順で落ち着き、周回を重ねる。
 青板前の4コーナーから田中が上昇。中本がこれに乗っていく。田中が誘導員の後位に収まり、この3番手は引いた吉澤と松浦で併走する。外併走の態勢から踏み上げた松浦が赤板前に先頭に立つが、すかさず吉澤が叩いて逃げる。飛び付いた松浦は3番手で粘って武田を弾く。後方8番手となった単騎の渡邉が最終ホームから反撃に出るが、杉森が最終2コーナーから番手まくりを敢行。さらに松浦もまくり上げる。杉森の抵抗を乗り越えた松浦が最後まで力強く踏み切って快勝した。小倉がしっかり続いて中四国ワンツー決着。赤板から四国コンビを追いかける形になった単騎の田中が3着に入った。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 9 松浦 悠士 広島 98期 S1 9.7 まくり
2 5 小倉 竜二 徳島 77期 S1 3/4B 9.6 マーク
3 7 田中 晴基 千葉 90期 S1 3/4W 9.5 マーク
4 8 杉森 輝大 茨城 103期 S1 1/2W 9.8 B
5 6 中本 匠栄 熊本 97期 S1 1/8W 9.5
6 1 浅井 康太 三重 90期 SS 1/2W 9.5
7 3 渡辺 一成 福島 88期 S1 1B 9.9
8 2 武田 豊樹 茨城 88期 SS 3B 9.7
9 4 吉沢 純平 茨城 101期 S1 D 11.4 H

開設67周年記念 瑞峰立山賞争奪戦 2018年9月2日

浅井康太(三重)

単騎でまくった浅井康太

 山中秀将にフタをされ続けた片折亮太が赤板ホームから内をすくって先頭に立つと、浅井康太も1センターで近畿コンビをすくう。「9番手にならないように」と走っていた浅井にとって4番手は絶好のポジション。2コーナーからまくると、合わせて番手から出てきた平原康多との争いに2センターで決着をつけた。
 「あれしかないと思ってた。平原さんが2コーナーで出なかったんで行くしかないと。いつもなら待つけど、モガき合って2、3着になっても力勝負をしようと思ってた。落車明けでも平原さんの調子はよさそうだし、出し切れたのは大きいですね」
 出し切ったオールスターの疲労から直前はなかなか調子が上がらなかったようだが、初日のまくりでその不安を払しょくした。自力に番手とメンバーに応じて戦い抜いたシリーズに「自在屋として評価できる」と浅井は胸を張る。それでも「80点ですね」と自己採点は辛口。そして「GIでだったら100点ですけどね」と続けた。次節は今月14日から高知競輪場で開催される共同通信社杯(GII)。「今後につながる走りはできた」と話す浅井が100点満点をつけるレースに期待だ。

 浅井のまくりに応戦した平原康多だったが、スピードが違い過ぎた。2センターで出切られると、もはや差し返すことは叶わなかった。
 「山中が前まで行くかと思ったけど、フタをされるのは予想外でしたね。でも、あいつ(片折)はあいつのレースをしたと思う。残りそうな雰囲気はあったし、浅井のスピードは合わせられる感じじゃなかった。強かったですね。いい経験ができました」

 埼玉勢が内から主導権を握ると、山中秀将は7番手に置かれてしまう。立て直して1コーナーから仕掛けたが、3着までが精いっぱいだった。
 「(片折を)フタしようとしたわけじゃなくて、山本さんが切らせてくれない感じだったので。そこを無理に叩くと関東勢に楽させちゃうなと思った。フタしてれば何か起こって、自分にとってチャンスになるかなと思ってたら山本さんが内を空けて大ピンチになってしまった。(最後仕掛けたのは)苦肉の策ですけど、3着で何とかですね」

 山本伸一は赤板ホームで内をすくわれたのが痛かった。浅井の仕掛けに続く形にはなったが、外の山中に伸び負け4着に。
 「前を取らされてしまった。山中君が来て、ここだけは突っ張ろうと思って。それで後ろがゴチャゴチャすれば面白かったんですけど、内を空けてしまってはダメですね。もったいなかったです。その後に何とか仕掛けたかったんですが、前に浅井君や平原君がいて厳しかったです。もう少し何かできればよかったです」

 とっさの判断で内から主導権を握った片折亮太だったが、ラインから優勝者を出すことはできなかった。
 「後ろ攻めがよかったけど、中団でフタをされてしまった。一瞬、空いた内を突いて前に出れたので、あとは行けるところまでと思って踏んでました。ラインから優勝者を出したかったんですが、自分の力のなさを感じました。いい勉強になったので、次につなげます」

レースプレイバック

 号砲で各車がけん制してから、山本伸一-古性優作が誘導員を追って前団を形成。以下隊列は、片折亮太-平原康多-宿口陽一、単騎の浅井康太、山中秀将-伊勢崎彰大-大塚英伸の並びで落ち着く。
 山中が青板前から上昇して片折に蓋をする。これを見ていた山本は2コーナーで誘導を降ろし、押さえに来た山中を出させない。山中が下げ切らずにいると、片折は近畿勢をすくって赤板でハナに立つ。浅井も埼玉勢に続く。山本は5番手で、山中が7番手。打鐘、最終ホームと一本棒で通過。4番手を確保した浅井は、2コーナーから満を持してアタック。合わせるように踏んだ平原を軽快なスピードで乗り越える。そのままスピードは衰えず、力強くゴール線を先頭で駆け抜けた。平原は浅井を追いかけるも、差は縮まらず準V。山中は1センターから仕掛けたが、平原のけん制もあって3着までが精いっぱいだった。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 1 浅井 康太 三重 90期 SS 9.4 まくり
2 2 平原 康多 埼玉 87期 SS 2B 9.6 まくり
3 3 山中 秀将 千葉 95期 S1 1W 9.4 まくり
4 7 山本 伸一 京都 101期 S1 1/4W 9.5
5 5 古性 優作 大阪 100期 S1 1B 9.5
6 9 伊勢崎 彰大 千葉 81期 S1 1B1/2 9.5
7 4 大塚 英伸 静岡 82期 S1 2B 9.5
8 6 宿口 陽一 埼玉 91期 S1 2B 10.1
9 8 片折 亮太 埼玉 92期 S2 D 12.4 H B