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決勝戦レポートfinal

稲垣裕之が大会連覇を達成

 「自覚を持って走る」。強い決意で大会連覇に挑んだ稲垣裕之が会心のまくりで結果を出した。
 「若い選手に気持ちで負けないようにと思ってました。(去年は村上博幸の番手を回っての優勝だったが)本当にどの位置でも勝てるのは気持ちのいいものですし、グレードレースで勝てたのは自信になります。父親の出身が富山で、親戚がいつも応援に来てくれるので良かったです」
 強力布陣を敷いた中部勢を相手に堀内俊介が抵抗したことで、チャンスが生まれた。
 「自分も含めて誰かしら(中部勢の)邪魔をしないと優勝できる確率は低くなりますからね。もつれたらホーム前には仕掛けようと思ってました。(三谷)将太も内を締めていたみたいですし、2人の力を合わせた結果です」
 これで通算8回目の記念制覇。来月に控える平オールスターに大きな弾みがついた。
 「オールスターまでは時間がまだありますし、もう1回気持ちをリセットしてまた土台作りから始めたい。G1の舞台でもっとしっかり勝ち上がれるようにしたいです」
 2日後の28日には44回目の誕生日を迎えるが、脚力はまだまだ健在。16年の寛仁親王牌以来となるG1制覇も不可能ではない。

 三谷将太が2着で近畿ワンツー決着。好マークから直線で迫ったが、逆転はならなかった。
 「稲垣さんがめっちゃ強かった。あと半周行っても抜けなかったと思う。稲垣さんはさすがですね。自分は阿部君や柿澤君もいたので割られないように気にしてた。自分が抜いてワンツーかと思ったけど」

 中部ライン3車の先頭を任された藤井侑吾は突っ張り先行で稲垣にまくられたが、しぶとく3着に粘り込んだ。
 「初のS級決勝が記念なので、やっぱり緊張しました。突っ張ったらそうなるかなって思っていたんですが、僕の気持ちが弱かったです。流しすぎて、後ろの(竹内)雄作さんに迷惑をかけてしまいました。反省する点が多いです」

レースプレイバック

 藤井侑吾-竹内雄作-宮越孝治の中部勢が前団に構える。稲垣裕之-三谷将太、堀内俊介-小原太樹、単騎の柿澤大貴、阿部力也で周回を重ねる。
 6番手の堀内から上昇を始めて藤井に併せ込むが、藤井はバック過ぎに突っ張りそのまま先行態勢に入る。堀内が番手で粘り、藤井後位は竹内-宮越(イン)と堀内-小原で併走。稲垣が6番手で前団の様子をうかがい、単騎の2人は阿部、柿澤になって打鐘を迎える。逃げる藤井後位の併走は決着がつかないまま、稲垣が4コーナーから仕掛けて最終回へ。
 逃げる藤井も合わせるが、稲垣がスピードの違いでバック手前でまくり切る。三谷がきっちりと続き、近畿勢を追った阿部は、藤井後位を踏み勝った堀内に張られる。柿澤が空いた中を突いてもつれる。近畿両者の直線勝負は、三谷を振り切った稲垣がV。柿澤、堀内、小原、阿部の4人が直線で落車に見舞われ、逃げた藤井が3着に残る。

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