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開設67周年記念 瑞峰立山賞争奪戦 2018年9月2日

浅井康太(三重)

単騎でまくった浅井康太

 山中秀将にフタをされ続けた片折亮太が赤板ホームから内をすくって先頭に立つと、浅井康太も1センターで近畿コンビをすくう。「9番手にならないように」と走っていた浅井にとって4番手は絶好のポジション。2コーナーからまくると、合わせて番手から出てきた平原康多との争いに2センターで決着をつけた。
 「あれしかないと思ってた。平原さんが2コーナーで出なかったんで行くしかないと。いつもなら待つけど、モガき合って2、3着になっても力勝負をしようと思ってた。落車明けでも平原さんの調子はよさそうだし、出し切れたのは大きいですね」
 出し切ったオールスターの疲労から直前はなかなか調子が上がらなかったようだが、初日のまくりでその不安を払しょくした。自力に番手とメンバーに応じて戦い抜いたシリーズに「自在屋として評価できる」と浅井は胸を張る。それでも「80点ですね」と自己採点は辛口。そして「GIでだったら100点ですけどね」と続けた。次節は今月14日から高知競輪場で開催される共同通信社杯(GII)。「今後につながる走りはできた」と話す浅井が100点満点をつけるレースに期待だ。

 浅井のまくりに応戦した平原康多だったが、スピードが違い過ぎた。2センターで出切られると、もはや差し返すことは叶わなかった。
 「山中が前まで行くかと思ったけど、フタをされるのは予想外でしたね。でも、あいつ(片折)はあいつのレースをしたと思う。残りそうな雰囲気はあったし、浅井のスピードは合わせられる感じじゃなかった。強かったですね。いい経験ができました」

 埼玉勢が内から主導権を握ると、山中秀将は7番手に置かれてしまう。立て直して1コーナーから仕掛けたが、3着までが精いっぱいだった。
 「(片折を)フタしようとしたわけじゃなくて、山本さんが切らせてくれない感じだったので。そこを無理に叩くと関東勢に楽させちゃうなと思った。フタしてれば何か起こって、自分にとってチャンスになるかなと思ってたら山本さんが内を空けて大ピンチになってしまった。(最後仕掛けたのは)苦肉の策ですけど、3着で何とかですね」

 山本伸一は赤板ホームで内をすくわれたのが痛かった。浅井の仕掛けに続く形にはなったが、外の山中に伸び負け4着に。
 「前を取らされてしまった。山中君が来て、ここだけは突っ張ろうと思って。それで後ろがゴチャゴチャすれば面白かったんですけど、内を空けてしまってはダメですね。もったいなかったです。その後に何とか仕掛けたかったんですが、前に浅井君や平原君がいて厳しかったです。もう少し何かできればよかったです」

 とっさの判断で内から主導権を握った片折亮太だったが、ラインから優勝者を出すことはできなかった。
 「後ろ攻めがよかったけど、中団でフタをされてしまった。一瞬、空いた内を突いて前に出れたので、あとは行けるところまでと思って踏んでました。ラインから優勝者を出したかったんですが、自分の力のなさを感じました。いい勉強になったので、次につなげます」

レースプレイバック

 号砲で各車がけん制してから、山本伸一-古性優作が誘導員を追って前団を形成。以下隊列は、片折亮太-平原康多-宿口陽一、単騎の浅井康太、山中秀将-伊勢崎彰大-大塚英伸の並びで落ち着く。
 山中が青板前から上昇して片折に蓋をする。これを見ていた山本は2コーナーで誘導を降ろし、押さえに来た山中を出させない。山中が下げ切らずにいると、片折は近畿勢をすくって赤板でハナに立つ。浅井も埼玉勢に続く。山本は5番手で、山中が7番手。打鐘、最終ホームと一本棒で通過。4番手を確保した浅井は、2コーナーから満を持してアタック。合わせるように踏んだ平原を軽快なスピードで乗り越える。そのままスピードは衰えず、力強くゴール線を先頭で駆け抜けた。平原は浅井を追いかけるも、差は縮まらず準V。山中は1センターから仕掛けたが、平原のけん制もあって3着までが精いっぱいだった。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 1 浅井 康太 三重 90期 SS 9.4 まくり
2 2 平原 康多 埼玉 87期 SS 2B 9.6 まくり
3 3 山中 秀将 千葉 95期 S1 1W 9.4 まくり
4 7 山本 伸一 京都 101期 S1 1/4W 9.5
5 5 古性 優作 大阪 100期 S1 1B 9.5
6 9 伊勢崎 彰大 千葉 81期 S1 1B1/2 9.5
7 4 大塚 英伸 静岡 82期 S1 2B 9.5
8 6 宿口 陽一 埼玉 91期 S1 2B 10.1
9 8 片折 亮太 埼玉 92期 S2 D 12.4 H B

開設66周年記念 瑞峰立山賞争奪戦 2017年6月27日

牛山貴広(茨城)

牛山貴広が記念初V

 「身近にすごい人(武田豊樹)がいるし、いつかいける気はしていた」。
 デビューから約10年。その言葉が現実になった。輪界をけん引する武田豊樹の背中を追い続けた牛山貴広が、富山の地で記念を初制覇した。
 「まだ実感はないですね。武田さんに見てもらって、ここまでやってきて。厳しい指導のおかげだと思っています。ちょうど一年前に怪我をしたんですけど。家族にも支えられてきたし、記念を獲れて良かったです」
 レースは号砲で牛山が飛び出す。しかし、「木暮(安由)が前が良いと言っていたけど、取れなかった」と濱田浩司とのスタート争いに敗れ、関東勢は後ろ攻め。隊列が激しく入れ替わったが、結局後方に置かれて苦しい展開に。それでも木暮が最終ホームの手前からスパートすると、牛山はしっかりと追走。最後はまくった木暮をゴール前で差し切った。
 「木暮はホームで緩んでいないのに、いってくれて。それが先まくりを防いでくれました。前団を飲み込んだし、強いですね。(関東でワンツー決着は)最高の結果です」
 美酒に酔いしれることなく、理想のスタイルを追い求める。師匠譲りの上昇志向で、今後も激戦に身を投じる。
 「前で走っていた時は後ろの選手が止めてくれていたし。ラインのために走れるような選手になりたいですね。そして(競輪祭の特選の権利が取れたので)また、そこも目標にして頑張りたいです」

 木暮安由は交わされたものの、関東ワンツーを決め納得の様子。
 「よかったですよ。今日は村上(義弘)さんに絶対に勝つ。それだけでした。初日に同じような展開でタイヤ差で負けてますから。ああいう展開は予想してました。僕が切って、郡司(浩平)君、浅井(康太)がいけば、山田(久徳)君がドカンと行くでしょう。そこで自分は落ち着いて行こうと。ホームで緩んだからいきました。レース運びはできたと思います」

 和田健太郎が3着。目標の郡司が内に詰まったが、2センターから外を回すと直線で鋭く伸びてきた。
 「郡司君は浅井君のところでからんでしまったね。それが大きかったけど、それがレースですから。郡司君が前に攻めてくれたおかげです」

 村上義弘は後輩の気持ちを汲んで番手まくりを放ったが、初日の様にはいかず。木暮に屈して4着に終わる。
 「できることなら、ラインで4コーナーを回ってきたかったけど…。木暮君も牛山君も強かった。合わせられると思ったけど、木暮君の脚が違いました」

 浅井康太は4番手好位を取ったものの、郡司に内をすくわれると最終バックで後退した。
 「あそこで無理をしても勝負してもね。ホントにコケたかと思ったし、今後のこともあるんで。そこから内を突っ込もうと思ってたけど、まさか(郡司が)内にいるいるとは思わなかった。最後に脚を使えなかったのは残念だけど、そこまでは展開を上手く組み立てられたので」

 「レースにならなかった」と悔やむのは*郡司浩平。浅井の内を突いたがコースは開かず。
 「体は良かったけど、判断が遅かった。うまく行けばそこから仕掛けようと思ってたけど。近畿勢を中心にレースが回って(自分が)どの位置を取るかだったけど。もうちょっとレースをしたかったですね」

レースプレイバック

 牛山貴広も前をうかがったが、号砲で飛び出した濱田浩司、浅井康太が前受け。周回は浅井―濱田―山田久徳―村上義弘―池田良―郡司浩平―和田健太郎―木暮安由―牛山の並び。
 青板ホームから木暮が動くと浅井は誘導員を残して車を下げる。その上を郡司が叩いて2センターで先頭に立つが、山田の動きを制して前に出た浅井が山田の上昇を待って中団4番手を確保する。先頭に立った山田は打鐘からペースアップ。番手の村上は早々と車間を切って別線の反撃に備える。4コーナーから内をすくった郡司は濱田を飛ばして浅井後位に。8番手の木暮がホームから巻き返すと、合わせて出ようとした浅井は内に詰まってズルズルと後退。車間を詰めた勢いで村上がバックから番手まくりに出たが、浅井にからまれてからも外を粘り強く踏んだ木暮に直線で飲み込まれてしまう。続いた牛山がゴール前で木暮をとらえて記念初優勝。郡司マークから直線外を回した和田が3着に突っ込んだ。

車番 選手名 年齢 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
9 牛山 貴広 36 茨城 92 S1 9.8
5 木暮 安由 32 群馬 92 S1 1/2身 9.9
3 和田健太郎 36 千葉 87 S1 1輪 9.7
1 村上 義弘 42 京都 73 SS 3/4身 10.2 B
6 濱田 浩司 38 愛媛 81 S1 1/2身 9.8
4 池田  良 31 広島 91 S1 1/2輪 10.1
7 郡司 浩平 26 神奈 99 S1 1/2身 10.1
2 浅井 康太 33 三重 90 SS 9身 11.0
8 山田 久徳 29 京都 93 S1 大差 12.6

開設64周年記念 瑞峰立山賞争奪戦 2015年8月16日

南 修二(大阪)

大波乱で南修二が記念初V

 敗者戦で落車が続いて波乱の1日となったが、さらに、最後の最後に大アクシデントが待っていた。今節絶好調の近藤隆司と、V筆頭の脇本雄太の力勝負に場内は沸いたが、最終2センターの落車でレースが吹き飛んだ。さらに、1着入線の山田英明が内抜きで痛恨の失格。南修二に思わぬ形で記念初Vが舞い込んだ。
 「抜けてないし、落車もあったんで実感はあまりないですね。今日はああいう展開になるのは想定してました。最後、脇本君が苦しそうにしてたんで内を行かせてもらしました。落車を避けるのはやってできるものではないけど、コースに入った時点で前に踏むしかないので。脇本君が頑張ってくれたし、3、4番手を固めてくれたおかげ。自分の力だけではないので。でも、これを機にG1、G2も頑張っていきたい。誰と言わず、近畿は皆強いんで、少しでも追い付いていかないと」

 山田追走から、相川永伍がこちらも繰り上がって2着。初優出で表彰台入り。
 「今日は山田さんは位置取りが上手いし、とりあえずそこに付いて行って様子を見ようと思ってました。自分で仕掛けられればよかったけど、山田さんも行く雰囲気があったので。だた付いて行っただけだったけど、こういう舞台を経験できてよかったです」

 近藤隆司は果敢に逃げたが、結果は実らず。
 「早めに押さえないと突っ張られると思ったんで。赤板で(誘導を)斬ってから要所要所で上手く踏めたと思うけど、最後に飲み込まれたので。でも力を出し切れたので、次に繋がるレースはできたと思います」

 山田英明は固唾をのんで審議を待ったが、判定はアウト。記念初Vは幻と消えた。
 「バックで仕掛けようと思えば行けたけど、五十嵐さんの番手まくりと思ったんで。外を行けないし、内を行ったのは一か八かだった。厳しいけど仕方ない。自分で仕掛けられなかったことに悔いが残ります」

 脇本雄太は体調不十分のなか、力勝負をして納得の様子。  
 「(誘導を切ると)失格ラインの前に押さえにくるとは思わなかった。すぐに引いても巻き返しても持たないんで、ギリギリまで待ってから。切らせておいて、行けるところからのタイミングで。(落車を)避けるのでいっぱいだったし焦りました」

 川木敬太も勝負所でアクシデントでは致し方なし。
 「乗り上げましたよ。脇本君は止まった感じがしたけど、落車がなくても僕もその時点で脚はいっぱいだった。落車しなくてよかったです」

レースプレイバック

 別線の様子をうかがいながら、南修二が誘導を追って中近ラインが前団に構える。脇本雄太に南—川木敬大—志智俊夫。山田英明、相川永伍と単騎の2人が続いて、近藤隆司—五十嵐力—松坂英司の南関勢が後方に待機。
 7番手の近藤は早めに動き出して、青板手前ではすでに脇本に併せ込む。脇本との併走から近藤は、赤板手前で誘導を切って先行態勢。近藤に五十嵐—松坂と出切り、切り替えた山田、相川まですんなりと続き脇本は6番手。後続を一本棒にして、近藤が打鐘からグングンと加速して逃げる。
 最終ホームを通過し、空いた車間を詰める勢いで6番手から脇本が巻き返す。山田、相川は動けず、脇本が前団に迫りバックを迎える。逃げる近藤との車間を切った五十嵐は、脇本のまくりに合わせて詰めるが3コーナー過ぎに近藤と接触して落車。松坂が乗り上げて、外に浮いた脇本はいっぱい。落車を避けながら斬り込んだ南は、直線の入り口で進路を近藤の外に取り追い込む。一方、南に押し込まれた山田が、近藤の内を踏み込む。近藤を挟んで南、山田の攻防は、内の山田に軍配が上がるも内側追い抜きで1着失格。南が繰り上がり記念V。中団から差し脚を伸ばした相川が2着に入り、逃げた近藤が3着。

車番 選手名 年齢 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
5 南  修二 33 大阪 88 S1 9.4
6 相川 永伍 31 埼玉 95 S1 1身 9.4
4 近藤 隆司 31 千葉 90 S2 1/4輪 10.0 B
8 川木 敬大 36 兵庫 84 S2 2身 9.6
1 脇本 雄太 26 福井 94 S1 1身 9.9
9 志智 俊夫 42 岐阜 70 S1 6身 10.2
2 松坂 英司 40 神奈 82 S1
7 五十嵐 力 36 神奈 87 S1
3 山田 英明 32 佐賀 89 S1