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決勝戦レポートは
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検車場レポートprogram

  • 11/16 (前検日)
  • 11/17 (1日目)
  • 11/18 (2日目)
  • 11/19 (3日目)
  • 1R

    山岸佳太選手

     前々回の松山GIIIの初日に落車した山岸佳太(写真)は、前回の取手FIが復帰戦。747着と結果は振るわず、今節は巻き返しを期す一戦だ。
     「前回は自分が思っていたよりも、体が動かなかったですね。そこまで重傷じゃなかったし、(落車の)影響はないかなと思ったんですけど。擦過傷がひどくて思ったよりも体の可動域が狭かった。レース勘も悪かったですね。終わってから練習はできたし、走ってみないとわからないけど良くはなってると思う」
     藤原俊太郎は8月岐阜FIの完全優勝で勢いに乗るかと思われたが、それ以降、優出がない。煮え切らない近況に本人も首をかしげる。
     「なんか力が入らないんですよね。岐阜で優勝した時はやっぱり調子が良かったし、記念とかでももっと勝負できるかと思ったら急に力が入らなくなった。原因はイマイチつかめてないです。でも、岐阜に比べればまだまだだけど、一時期よりは良くなっている。そろそろ記念で勝ち上がりたい」
  • 2R

     8月弥彦FIから優出のない坂本周作。前回から中11日のここは、気持ちを入れ直して仕上げてきたようだ。
     「最近はレース中に全然余裕がなくて。あまりにも弱すぎるし、今回はしっかり練習してきました。冬期移動の予定はないですね。今回は外でも乗れたけど、これからは室内練習がメインになってくると思う。細切れ戦は得意な方。(初日は)チャンスはあると思うのでしっかり走りたいです」
     吉田茂生は前々回の静岡FIで落車。続く四日市FIは納得のできる仕上がりではなかったようだが、今節はどこまで状態を戻しているか。
     「前回はあまりにも悪かったですね。打ち身がひどくて、ずっとレース中キツかった。今回は遠乗りして仕上げてきました。距離を乗り込んできました。(初日は)地元勢が後ろですし、乗り込みの成果を出したいです」
  • 3R

    上田尭弥選手

     上田尭弥(写真)は3場所前の寬仁親王牌では大敗を並べてしまい、その後のFIでも1着がない。現状を打破しようと、セッティングを模索しながら戦っている。
     「寬仁親王牌は、前橋の走り方がわからなくて全然ダメだった。33バンクは走っているし大丈夫だろうと思ってたら、全然違くて。今はフレームとか、セッティングを変えたりして走っている最中。まだこれだっていうのはないですね。だから、ちょっと今回は良かったころのセッティングに戻してやってみます。どう出るかはわからないから、1走してみて確かめます」
     根本哲吏はFI戦を1本欠場して今節を迎える。
     「平塚が終わった後の練習で落車しちゃって。手首と腰を痛めて、まだちょっと手首に痛みはあるけど大丈夫だと思う。なかなか初日から良いメンバーですね。今回は飛びぬけて強い人はいないかもしないけど、レベルは全体的に高い。そのなかで勝ち上がれるかが課題ですね」
  • 4R

     吉本卓仁は、前々回の武雄FIで準V。続く取手FIは勝ち上がりには失敗したが最終日は逃げて2着と力強い走りを見せた。上昇中で迎える今節は、伊藤旭との連係から初日をスタートさせる。
     「やっと踏めるようになってきましたね。じわっと兆しが見えてきたというか。今の状態を見極めた時に、どういう部分が足りていないかとか、どういう練習をすればいいのかっていうのがわかってきた。ただ、伊藤君とはあんまり決まってない。あいつの動きは予測できないし、付いて行く方は大変なんです。ただ、付いて行きさえすれば自分の着もあると思うし、集中していきたい」
     中田健太は今年右肩上がりに点数を上げた一人。初日に前を任せる朝倉智仁とは相性が良く、全幅の信頼を口にする。
     「朝倉君とは良く決まってると思う。自分が好きなタイプなんですよね。先行基本に走ってくれるし、先行できずにピンチになった時でも下げ切らなかったり、粘ったりしてくれるからすごく助かる。なんていうか、セオリーがない感じですね」
  • 5R

    宮越孝治選手

     誰よりも気合が増すのは地元の宮越孝治(写真)だ。8月の当所記念は二次予選敗退と悔しい思いをしただけに、今節にかける気持ちは大きい。
     「夏の記念の時は準備不足だったのか、入れ込み過ぎだったのか良くなかった。今回は準備万端です。自分でも楽しみなくらい仕上がってます。また(地元のGIIIを)リトライできるチャンスをもらったので、覚悟を決めて頑張りたい」
     蕗澤鴻太郎は本来の力強さが鳴りを潜めてしまっている。前回の四日市FIで落車してしまったが、今節のデキはどうか。
     「体調不良と落車が続いた影響で、低迷しちゃってますね。どこかできっかけをつかめればいいんですけど。ただ、練習はしっかりやっているので。前回の落車はそこまで重傷じゃないので。6日間くらいは練習できました。擦過傷があった程度で、フレームも大丈夫でした」
  • 6R

     吉田敏洋は股の腫瘍を手術で除去し、今年5月に復帰。苦しい1年を過ごしたが、腐ることなく目の前の課題を1つずつ潰していく。
     「今の状態だと、自分がどうこうってよりも前に頑張ってもらうしかないっていうのが正直なところ。あとは、7車立てと9車じゃ全然変わってくる。前回は7車だし参考外。自分は9車の方が体に染みついているし、落ち着いて走れる。7車の7番手よりも、9車の9番手の方が落ち着いてるんですよね。今は我慢の時期だけど、急に良くなることはない。やることをやっていくだけです」
     不破将登が吉田の前を回る。番手回りも増えてきたが、ここは気迫の自力戦だ。
     「最近は人の後ろを回ることも増えてきたけど、どちらもやりたいし自力を捨てたくない。前回の初日と最終日は逃げの決まり手が付いたんですよね。意識して逃げたわけじゃないけど、行くべきところで仕掛けられている。調子も上がってきているし、自信につながりましたね」
  • 7R

    晝田宗一郎選手

     晝田宗一郎(写真)は、直前の和歌山FIでおよそ2カ月半ぶりに決勝進出。準決勝は持ち味の先行策で瓜生崇智らの本線を撃破した。たが、本人のコメントは意外にも控え目だ。
     「前回は成績だけ見ると良いんですけど、自分の中ではあんまり。準決もタイムはそんなに出ていなかったですから。練習の感触とかは全然ダメなんですよね。ここに来る前も練習仲間に千切られてきました。でも、自分はそんな時ほど成績が良いんですよ。むしろ感じが良い時ほどダメなタイプ。33バンクはペースが早くなるので、仕掛け損じないようにしたい」
     点数最上位の佐藤一伸だが、11月小田原FIを途中欠場すると、続く高松FIも欠場。その理由をこう説明する。
     「ぎっくり腰ですね。大事を取って休みました。2週間くらい空いたので少しは練習できたし、戦える状態にはしてきたつもり。1走してみて確かめたい」
  • 8R

     門田凌は前回の高松FIから中3日での参戦。準決勝こそ大敗を喫したが、最終日にはまくりで白星をつかんで成績をまとめた。
     「疲れがたまってたので、今回はケアだけしてきました。高松は相手が強かったし、自分の中では割り切れてます。準決は森田優弥君が相手だったので。こんなもんです。最近は特にセッティングとかもいじってないですね。富山は前回来た時が良かったし、今回でいい印象にできるように頑張りたい」
     一時の勢いこそ薄れてしまった伊藤慶太郎だが、積極的なスタイルを崩したわけではない。復調に向けて今節は明るい材料もあるようだ。
     「(前回の)防府記念が終わった後に、平原(康多)さんにセッティングとかでアドバイスをいただいた。それに今回から平原さんのフレームを使わせていただきます。練習の感じは良かったですね。富山は父親(故・伊藤公人さん)の故郷ですし、頑張りたいですね」
  • 9R

     野口裕史は南関屈指の徹底先行。33バンクでは単騎で逃げ切りVを決めるなど得意なイメージがあるが、本人はこう話す。
     「33バンクは相手次第なところがありますね。400バンクよりも内が有利になるので、合わせ切られるパターンもある。相手が自分の先行を受けて立ってくれたらやりやすいんですけど、そうじゃない相手だと残り2周半からモガき合って大敗することもあるので。難しいところもあるんですよ。前回の平塚が中1日だったので、今回はケアを入れてきました。でも、予定通りにウエートトレーニングもできました」
     東龍之介は、前回の平塚FI初日に野口と連係。その時はワンツーを決めており、ここもゴール前勝負に期待できる。
     「まずは(野口に)付け切ることですね。前回もそうだけど、最近は調子自体は悪くないです。ただ、前回の決勝は深谷(知広)の3番手に付いて余計なことを考えすぎて離れてしまった。そういう不甲斐ないレースもある。深谷も、野口さんもそうだけど、ラインで前にさえ出切ってしまえば強い選手。自分がそこにしっかり付いて行ってサポートして、ゴール前勝負ができればと思ってます」
  • 10R

    飯野祐太選手

     飯野祐太(写真)は、前回平塚FIで優出。深谷知広らを相手に単騎で挑んだ決勝は課題を残したが、勝ち上がりでは上々の動きを見せていた。
     「決勝は見すぎちゃいましたね。ペースが上がり切る前に自分で何かできれば良かったんですけど、何もできずに終わってしまったので。でも、あのメンバーの中で決勝に行けたのは自信になりました。だいぶ戻ってきていると思います。セッティングがある程度固まってきたのが大きいです」
     竹内智彦が飯野の番手を回り、強力ラインを形成する。竹内自身も、前々回の平塚FIで優勝をかざるなど本調子に戻りつつある。
     「やっと調子が上がってきましたね。一時期は腰痛がひどくて体にしびれがあったくらい。練習もできないような状態で、だましだまし走ってたら点数もどんどん落ちちゃって。テクニックだけじゃどうにもならなかった。最近は追走が楽になりましたよ。ここからですね。来年は特別競輪(GI)に出て、108点くらいまで点数を上げたい」
  • 11R

    北井佑季選手

     北井佑季(写真)が3度目のグレードレースに挑戦する。前々回の京王閣では初の記念決勝進出を決めており、9車立てにも徐々に順応してきたようだ。
     「京王閣の決勝は単騎でも一発狙おうと思っていたんですけど、やっぱりラインで付いてくださる方がいないと難しかった。でも、自力を出して決勝に行けて自信になった。小田原記念の時も33バンクでしたし、今回はその時の反省を生かして走りたい。先行すれば決勝でも勝負になると思っています。決勝に行くことは最低限と思って、決勝で自分らしいレースをすることが目標です」
     相対する黒沢征治は、徹底先行同士の対決に早くもメラメラと闘争心を燃やしていた。
     「点数を落としたのは自分の責任だし、こういう時に“当て馬”にされるのはしょうがない。でも、やっぱり燃えますね。自分は開き直って自分のレースをするだけです」
  • 12R

    取鳥雄吾選手

     取鳥雄吾(写真)が本来のスピードと力強さを取り戻してきた。直前の取手FIでは豪華メンバーがそろった中でオール2着の準V。まずまずの手応えを感じているようだ。
     「今期は前半が悪すぎましたね。(7月)玉野で転んだり、調子が良くなったと思ったら練習中に転んだり。落車の怪我自体は大したことなかったんですけど、その後の処置が良くなくて調子を落としちゃいましたね。取手はセッティングとフレームを変えて悪くはなかったです。原点に戻った感じで、ストレスなく走れました。自分のレースはできていますね」
     大石剣士も今開催注目の機動型の一人。初日は南関3車の先頭で力を出し切る。
     「最近は成績はまとまってるけど、感触自体はそこまで良くない。でも、良くない中で成績がいいってことは、力が付いてきたってことだと思う。やっぱり深谷(知広)さんたちと練習するようになったからですかね。細かい技術的なこともすごく教えてくださるので」
     地元地区の竹内雄作は、初日特選で九州勢との連係で3車のラインになり見逃せない。
     「前回は(初日、2日目が7、7着で)叩いてしまったけど、いつも通りに練習してきました。メンバーが良いので考えてしっかり戦えるようにしたい。結果を出せるように、気負わず落ち着いて走りたい」
  • 1R

     青板バックで切った菊池竣太朗を藤原俊太郎が叩いて残り2周から先行態勢に入る。7番手に下げた山岸佳太は、打鍾前から反撃を開始する。中団の菊池をキメてから踏み上げていった山岸が前団に迫ると、西田雅志が最終2コーナーでブロック。一瞬勢いが鈍った山岸だが、力で乗り越えて藤原をまくり切り、1着スタートを決めた。
     「出切るのに時間がかかりましたね。(状態は)こんなものかなと。(西田のブロックを)くらってから止まったけど、見ながら回しながらで踏もうと思った所で前がタレてきた。思ったよりも脚が回っていた。新車が良いですね。ただセッティングがもう少し出れば、より噛み合うと思う。サドル部分を修正しようと思う」
     山岸マークの岡田泰地は、最終2コーナーで室井竜二をキメて一旦内の3番手の位置に降りる。2センターから踏み込み、外から西田雅志を交わして2着に入ったが、判断の甘さを反省する。
     「判断が悪かったですね。ちゃんと付いていけばワンツースリーまでいけたと思う。山岸君がすかさずいくと言っていた。思っていたより脚は回っていた。最後も伸びてくれましたね。戻ってきている感覚はある」
  • 2R

    大矢崇弘選手

     後ろ攻めから切った坂本周作ラインに、単騎の大矢崇弘(写真)が続く。そこをさらに大西貴晃、吉田茂生の順で切って坂本は打鍾で7番手。2センターから巻き返した坂本が前に迫ると、北日本勢を追った大矢が最終2コーナーから仕掛けてその上をまくっていく。まくり切った坂本の上をまくった大矢がそのまま押し切った。
     「後ろ攻めのラインが切りに行ったところを付いて行って、(自分が)切るか、切らないかで考えていました。(切ったのが)坂本君だったので、絶対仕掛けるだろうと思ってそのまま付いていたら、その通り仕掛けてくれて勢いをもらえましたね。その辺の判断もよかったと思う。前回も1着が取れて、だんだん良くなっていると思う。夏場が駄目だったんですけど、涼しくなってきたのと、セッティングを変えたのがいい方向に出ているのかと思います」
     坂本の巻き返しを北野武史が大きく張る。川津悠揮はその内をすくい、まくった坂本を差して2着に入った。
     「前が取れればよかったけど、取れなくてちょっと申し訳なかったですね。でも、(坂本)周作が残り1周半から仕掛けてくれたおかげ。ちょっと周作もきつそうで、行けないかなと思って内を見た時にブロックですごい内が空いた。ちゃんと付いていたら大矢君を持っていけたかもしれないから、その辺は確認したい」
  • 3R

     青板バックで吉田昌司が切り、上田尭弥が赤板で叩いて先行する。前受けから下げた根本哲吏は7番手で構えて最終周回に入る。吉田は中団で動けず、根本が2コーナーからまくり上げる。上田マークの山中貴雄は2センターで外に張ってから踏んで抜け出しを狙うが、そらにその外を根本が飲み込んだ。
     「(吉田が抵抗せずに)意外とすんなり一本棒になってしまった。予選は勝ち上がりたくて遅めのまくりで乗り越えられましたね。山中さんのけん制も頭には入っていた。手首がまだ痛いのと、朝の早いレースで寒くて(状態が)上がり切らなかった。明日は後半のレースになると思うから体もしっかりと起こして走りたい」
     上田を利した山中貴雄が2着。
     「叩きに行くタイミングはもっと早くいくかなと思った。吉田君のバック数から見ても踏み合いになるかと思ったけど、すんなり出切れましたね。根本君がまくってきているのはわかったけど、そこまで良いまくりではなくてコーナーで止まると思った。けど、4コーナーから伸びてきて対応しきれなかった。余裕はあるけど、脚が重たい。朝が早いのも影響しているかも」
  • 4R

    吉本卓仁選手

     朝倉智仁が青板バックで動き出し、伊藤旭は3番手から合わせるように切りに動く。前受けの重倉高史は伊藤を突っ張り、朝倉ラインを受けて4番手を確保。伊藤は一旦6番手に下げて態勢を立て直す。朝倉が徐々にペースを上げて駆ける中、重倉が最終ホームから仕掛ける。伊藤は1コーナーからまくり上げ、朝倉をまくった重倉を3コーナーでとらえる。直線は九州両者の一騎打ちとなり、マークした吉本卓仁(写真)がゴール寸前で差し切った。
     「組み立ては伊藤君に完全に任せてたので、切るのか切らないのかはもう任せて。そこで藤根(俊貴)君が内を来ていたし、そこだけでしたね。付けている以上は、勝てないにしろしっかり外併走しようと。伊藤君の後ろで失敗しているし、久々の人の後ろで緊張しました。ごちゃごちゃせずに、ある程度単独で回れましたね。へこんでる時に比べたらだいぶ良いですね。トップスピードは物足りないけど、今はそういう練習はしてないので。でも、自力でも戦える感じがある」
     豪快なまくりを放った伊藤旭は、フレームチェンジが巧を奏したようだ。
     「切れなくても、朝倉さんに踏ませて脚を使わせて出させたかったので想定通りでした。意外と6番(重倉)がいいタイミングで行って、自分もあのタイミングで仕掛けたかったけど、8番(中井護)が追うのをやめたので6番を目掛けて行きました。防府記念では新車を使ったんですけど、今回は戻した。セッティングも前のままだし、悪い感じはしなかったです」
  • 5R

     磯島康祐が切り、土生敦弘が赤板で磯島を押さえて先行し、隊列を一本棒にして駆けていく。土生マークの宮越孝治は最終ホームで前と車間を切って別線の反撃に備える。磯島のまくりをけん制した宮越は、ギリギリまで土生をかばいながら直線で踏み込んで地元GIIIの初戦で1着をつかんだ。
     「出切ってから落ち着いてたら車間を空けようと思ったけど、少し空けすぎたかもですね。磯島君も(最終)1コーナー、2コーナーで仕掛けてこなくて、バックで来たのが見えた。磯島君も外で休んでいたし自分も車間を切って脚が削られていて最後は外からいかれたかと。今回はリラックスしていた。今回は離れないような仕上がりなので、自分も安心して走れている」
     磯島に乗った荻原尚人が、直線で大外を強襲して2着に食い込んだ。
     「磯島君の調子が良さそうで、番手、3番手で粘れそうな感じだったけど、引いて勝負したいと。出るのに脚を使っていたと思うけど、まくってくれた。まくりにいかないと思っていたところで行ったから追っかけて。(磯島が)止まるかなと思って見ていたけど、乗り越えそうだったから急いで踏んだ感じ。最後はいったかなと思った。抜ける感じがあったので」
  • 6R

    吉田敏洋選手

     切った薦田将伍を叩いて、中嶋宣成が赤板から一気にペースを上げる。前受けから下げた不破将登は、車間が空いた中団に追い上げて、前と車間を空けたまま仕掛けのタイミングを計る。最終2コーナーからまくった不破が関東勢を飲み込んで、番手の吉田敏洋(写真)が楽々差し切った。
     「メンバー的に前を取らされる形になると思っていたし、あとはもう不破が自分でタイミングを取って最後まで踏み切れと。うまく立ち回ってくれましたね。赤板のとこは追い上げたというよりも、本人は仕掛けに行った結果、前が踏んであの位置になったんだと思う。今日(初日)に関しては付いて行っただけで最後の10メートルくらい踏んだだけ。中部は今開催に限らず現状、自力が少ない。自力を育てていくなかでやっていかないといけないし、そこは自分も修行と思ってやっていく」
     さすがの立ち回りから軽快にまくった不破将登が2着で中部ワンツー。
     「前を取らされる形になったけど、中団からでもどっちにしろ今日は一周半でも叩くつもりでした。仕掛けにいったところで前が踏んで、中団が車間が空く感じだった。気持ち的に無理矢理でも早めに叩こうと思っていたし、それがよかった。前回の競走も自信になっていますね」
  • 8R

    門田凌選手

     青板バックで切った門田凌(写真)を高橋和也がさらに切り、打鍾で伊藤慶太郎が叩く。伊藤ラインに単騎の上野真吾が続き、すかさず門田は中団に追い上げて4番手外で高橋と併走になる。門田は外併走のまま最終2コーナーからまくり上げると、逃げ粘る伊藤慶太郎をゴール前でとらえた。
     「初手が前でも、中団でも、後ろでも、とにかく今は前々に踏んでいこうと思ってました。力勝負をしても大敗するレースが多いので、今は前々にいって後手を踏まないスタイルを確立したい。(打鍾でペースが)緩かったら叩いていたけど、33だからスピードは乗り切ってましたね。もっと上のクラスになると、飛ばされていると思うし、もう一車前の3番手くらいで勝負しないと駄目。でも、メンバーに合わせて走ることも大事だと思うし今日(初日)はこれでよかった。脚使ってるので出は悪かったけど、こんなもんです」
     打鍾から逃げた伊藤慶太郎が2着に逃げ粘った。久しぶりにGIIIで二次予選へと勝ち進み、納得の表情でレースを振り返る。
     「2車だったので、後ろから押さえて駆けるよりは前を取って一発を狙った方が良いと思ってました。中団のもつれは見えていたし、台(和紀)さんが張ってくれたのも分かってありがたかった。最近良くなかったんですけど、平原(康多)さんにアドバイスをもらって、フレームも平原さんが昔使って合わなかったやつを譲っていただいた。練習の感じがすごく良かったので、それを本番で出せればと思っていたんです。次につながるレースができた」
  • 9R

    東龍之介選手

     中部勢が前を取り、野口裕史は3番手からレースを組み立てる。野口は青板バックで後ろを警戒しながら中部勢を押さえる。別線の巻き返しはなく、野口がグングンとペースを上げて最終周回。ホームで仕掛けた鈴木輝大が6番手から好スピードでまくるが、これを東龍之介(写真)がブロック。鈴木を止めた東がゴール前で鋭く野口を差し切った。
     「スタートはミスというか全力で取りに行ったけど、前を取られてしまった。野口さんが駆ければ誰もこないと思っていたから追走に専念しようと。鈴木君がまくってきて止めたのは良かったけど、余裕があれば土屋(裕二)さんのコースも作れたと思う。最近、良い流れがきている。誰の番手でも良い緊張感をもって走りたいし、自分の仕事をしていきたい」
     2周半から駆けて別線にレースをさせなかった野口裕史が2着に逃げ粘った。
     「前からが理想だったけど、逆に中団からあの展開の方が楽に出られるなと。前受けなら2周半で全開で踏まないと突っ張れないので。鈴木君がまくってきたのが分かって、コーナーで自分で張ろうと思ったら東君が止めてさすがだなと思った。状態は悪くはないけど、もう少しスピードを乗せたい」
  • 10R

    山口敦也選手

     前受けの飯野祐太が、山口敦也(写真)を青板バックで突っ張る。松坂侑亮が赤板目掛けてカマシに行くが、飯野はこれも突っ張って出させない。松坂はそれでも踏みやめず、激しい踏み合いに発展する。7番手で態勢を立て直した山口は最終1コーナーから仕掛けると、竹内智彦のブロックの届かない大外をまくって強敵を撃破した。
     「遅めに切りに行ったんですけど、突っ張るとは思っていなくて。でも、その後も落ち着いてはいました。内も外もどこかしらで、さばけるかなって。6番(望月裕一郎)に降りられてしまったのは駄目だったけど、(最終)1コーナーで緩んだところで仕掛けられたのはよかった。竹内さんに相当見られていたし、うまく避けながらまくれたのはよかった。でも、今日(初日)は本当にたまたま。最近はジカで競りにいったりもしているし、追い込みになりたい。今日は競る番組ではなかったし、九州がいなければ自分でやるけど。うまくハマったけど、人の後ろならもっと良いと思う」
     飯野マークの竹内智彦は山口を止められなかったが、その後ろの高比良豪をブロック。返す刀で踏み込んで2着を確保した。
     「相手の切り方も中途半端だったし、9番(松坂侑亮)が来るのも遅かった。松坂を1回ブロックして下がるかと思ったら下げなくて。でも、飯野は格が違うから。山口君が来たら止めたかったけど、イエローラインの上の方を行かれてさすがに止められなかった。高比良だけは止めないとと思って、同期だけど強めにブロックした。楽に走れたし、調子自体はいいです」
  • 11R

     迷わず前受けを選択したのは北井佑季。伊藤成紀が青板バックで切りにいくが、北井は得意の突っ張り先行に出る。伊藤は出切れず後退し、4番手には黒沢征治。黒沢は最終ホームで無理矢理仕掛けるが、中村浩士のけん制で外に浮く。最後まで主導権を守り切った北井が、一切失速することなく力強く逃げ切った。
     「あの並びなら伊藤さんを突っ張った後に、黒沢君は中団からでも自力があるから来るだろうと思っていた。しっかり踏めたし、33なので4コーナーからゴール前までが短いから走りやすいバンク。今日(初日)は脚を使わずに突っ張れたけど、後ろから押さえるのがうまい人なら出られると思う。そういう時に柔軟にやっていきたい。そこが今の課題。走る前に(客席に)見覚えのある顔がちらほら見えて力になった」
     北井を援護した中村浩士が2着。田中晴基まで続いて、南関ワンツースリーが決まった。
     「前が取れれば突っ張りって感じでしたね。突っ張った後に黒沢君がきたのが分かって、ブロックにいって止まったのが分かった。北井君と初連係なので、どうなのかわからないから集中していた。最後も抜きにいったけど、踏み直しが半端なくて抜けなかった。けど、ライン3人で決まったのが良かった。こういう選手は南関でも野口(裕史)君や北井君ぐらいでごくわずかなので大事にしていきたい」
  • 12R

    福田知也選手

     取鳥雄吾が大石剣士を4番手から先に切る。赤板から竹内雄作がカマすが、坂本亮馬が連結を外して竹内の番手には取鳥がハマる。大石は最終ホームから仕掛けて、番手まくりに出た取鳥に迫っていく。大石マークの近藤隆司は踏み出しで口が空くも、3コーナーで追いつく。大石が取鳥に迫って直線を迎え、近藤の惰性を貰って踏み込んだ福田知也(写真)が、鮮やかに突き抜けた。
     「中団にこだわる選手もいないし、前から引けばみんな積極的に脚を使い合ってチャンスができると思ってました。ちょっと近藤が大石に離れてたので、どうしようと思ったんですけど、やっぱり自力があるから追いついてくれましたね。でも、近藤は追いついてバックを踏んだ。自分は勢いのままに行きたかったから先に踏ませてもらう形になった。本当ならもうワンテンポ待ってから踏むべきだけど、近藤もきつそうだったんで。前回が終わってしっかり休んでから来たのが良かった。ちゃんと調整できていますね」
     竹内にハマった取鳥雄吾は大石に合わせて番手まくり。福田には外を行かれたが、2着に粘った。
     「大石君と(竹内)雄作さんで叩き合う展開にしたかったけど、切っても雄作さんが来なかった。駆けても良い感じで踏んで、雄作さんが来たので出させて。内に来そうな感じがあったし、高原(仁志)さんが絡んでるのが見えたので内は締めて。大石君が来ているのが見えて、振りながら出たけど最後はいっぱいでした。200勝は遠いですね。これで4連続2着です」
     大石剣士は番手まくりの取鳥をまくり切れず。取鳥の後位に付け直して3着だった。
     「本当は中団が欲しかったけど、後ろ攻めよりは前からがよかった。竹内さんが切るなら早目に引いて、取鳥さんが切りに来るなら強く踏んで脚を使わせてから引けばごちゃつくと思ってました。取鳥さんを越えられるかなと思ったけど、踏み直しがすごかった。バックを踏んで番手に付き直したのでいっぱいでした。抜群にいいわけじゃないけど悪くはないですね」
  • 6R

    山岸佳太選手

     門田凌、原口昌平の順で切り、原口を叩いた藤根俊貴が打鍾で主導権を奪う。山岸佳太(写真)は北日本勢を追って、3番手外で原口で併走に。山岸は外併走から最終2コーナーで仕掛けると、泉慶輔のけん制を乗り越えてまくり切った。
     「門田君が切って、原口君が切ったところを叩いて先行しようと思ってたんですけど、原口君が動くのが遅かったのか、自分がスイッチするのが早すぎたのか、(青板3コーナーで)原口君に当たられてバックを踏んでしまった。行くタイミングを逃したんですけど、藤根君が行ってくれたので、付いて行って外で我慢だなと。思ったほど併走では脚を使ってなかったんですけど、2コーナーの泉君の振りの方がきつかった。昨日(初日)と状態は変わらないんですけど、もうちょっとセッティングが出れば先行しても戦えそうな手応えがある」
     中田健太がしっかりと続いて関東ワンツーが決まった。
     「前の先輩に全部お任せしていたし、細切れだったので想定した展開にはならないだろうなと。自分も山岸さんには信頼を置いているし、山岸さんも信頼してくれてるからタフなレースをしてくれたんだと思う。昨日は5着がいっぱいだったけど、前がレースをしてくれてる時は自分も大丈夫。調子はずっとキープできていますね」
  • 7R

    不破将登選手

     青板バックで切った不破将登(写真)が、南関勢を受けて4番手を確保する。最終ホームから上田尭弥が反撃を開始すると、不破は最終2コーナーから合わせるように先まくりに出る。中村浩士のけん制を乗り越えた不破が、大石剣士をまくり切って快勝した。
     「スタートは後ろになってしまったから切ってから考えようと。大石君が結構、踏んで出たから飛び付くのに脚を使ってしまった。上田君がまくってきたのが分かって、行けるか分からないけど、被ったらだめなので仕掛けてみたらそこそこ出てくれた。中村さんのブロックは頭に入っていた。連日、まくりだけど、33でまくり切れているし、今日は100点後半の選手をまくれたので調子は良い」
     不破と即席ラインを組んだ岡田泰地が2着に続いた。
     「不破さんのおかげです。最終ホームで不破さんもニュートラルに入っている感じだった。上田君に合わせてまくりに行った時も、スピード的にまくり切るだろうなと。(最終)バックから3コーナーにかけては苦しかった。前との強弱が合っていないからセッティングを修正したい。明日(3日目)までには修正できると思う」
  • 8R

    伊藤慶太郎選手

     伊藤旭が切って、伊藤慶太郎(写真)が赤板で叩く。打鍾で土生敦弘が巻き返しを図るが、伊藤慶がペースを上げて主導権を譲らない。土生が浮くと、今度は伊藤旭が最終2コーナーからまくりを狙う。が、これを芦澤辰弘が強烈ブロック。伊藤旭の勢いは鈍り、ラインの援護を受けた伊藤慶が末良く逃げ切った。
     「土生君が前を取ったらその後ろがいいと思っていたんですけど、スタートで芦澤さんがうまくやってくれて理想の位置が取れました。自分で思ってる以上に(最終)バックで踏み直せて、ラインで決まってよかった。初手の位置取りもブロックもありがたかったし、ラインのおかげだったのでラインで決まったのが一番嬉しい。土生君と伊藤旭君には何回もやられているし、その2人をまとめて倒せてよかった」
     関東ライン3番手の山下渡は、しっかりと内を締めて役割を全う。直線で芦澤と伊藤慶の中を踏んで2着に入った。
     「前の伊藤(慶)の先行と、(芦澤)辰弘のブロックのおかげで僕も3着以内に入れた。スピードも緩まなかったし、僕も締めながら回ってたけど感覚はよかった。前よりは確実に脚が付いたなと思いますね。親王牌の前に、吉田拓矢と、吉田有希と、吉澤純平と一緒に練習してスピードが付いたんだと思う」
  • 9R

    野口裕史選手

     後ろ攻めの野口裕史(写真)が青板から動き出し、3番手の藤原俊太郎にフタをする。大矢崇弘がその上を切りに動くが、先頭の根本哲吏が突っ張って出させない。野口は赤板目掛けて一気に叩き、同型の藤原をまんまと後方に置いて先行する。野口はグングンと掛かっていって別線の反撃はことごとく不発。ゴールまで一切タレずに、力強く逃げ切った。
     「藤原君の後ろから組み立てようと思っていた。藤原君をフタをしたときに大矢君が切りに行って、根本君と踏み合ったときに2人とも脚を使ってくれて行きやすくなった。その辺は落ち着いて見れた。8レースの伊藤慶太郎君の先行と、芦澤辰弘君のブロックを見て気持ちが入った。自分の中ではタイムトライアルみたいな感じで駆けた。今日(2日目)の方がバンクが軽かったですね」
     野口マークの近藤隆司がゴール前で迫って2着。
     「藤原君をフタしていた時に大矢君に外をいかれることを考えていなかったけど、野口君がいく感じで構えていた。出切ってからはかなりのペースだったけど、それが彼のマイペースなんだと思って化け物だなと。残り1周でさらに踏み上がっていった。初日は大石(剣士)君、今日は野口君と連日、人の後ろを回れているからこの経験を1日も無駄にしないようにしようと思った。初日よりも今日の方が指定練習から良かった」
  • 10R

    取鳥雄吾選手

     大西貴晃が取鳥雄吾(写真)を切り、ワンテンポ遅れて単騎の長井妙樹が九州勢を追う。飯野祐太がジワリと九州勢を押さえると、取鳥は打鍾目掛けてカマす。合わせて踏み上げた飯野は、遅れ気味の三宅達也に飛び付いて取鳥後位がもつれる。後ろを確認した取鳥は一瞬ペースを緩めるが、最終2コーナーから再度加速してそのまま押し切り勝ち。節目の200勝を達成した。
     「僕待ちになってくれたらなとは思ってたけど、そうならなくてもどこかでは叩いて出切って3着までには入れるようにって考えてました。飯野さんがハマったのが見えて、(三宅)達也さんも追い上げてくれたから(最終)2コーナーから踏んだんですけど、バンクが重かったですね。セッティングは微調整程度はやりました。200勝は嬉しいけど、毎回1着は嬉しいです」
     2着は三宅達也をさばいた飯野祐太
     「あの並びなら大西君が切ったところを叩いて、取鳥君のカマシを合わせるか、合ったところに飛び付くかでした。ただ、青板バックで長井君のタイミングが分からなくて遅れた。もうちょっとしっかり飛び付く感じで踏めていれば良かったんですけど。取り切って、差したかったですね。状態はいいと思うので気を引き締めて走りたい」
  • 11R

    竹内雄作選手

     中団の4番手で周回を重ねた竹内雄作(写真)が、切った磯島康祐を赤板で叩いて先制する。前受けから下げた晝田宗一郎が巻き返すが、竹内の巧みなペースの前に、車は中団までしか進まない。直線は中部両者の一騎打ち。8分の1車輪差で宮越孝治を退けて、竹内が逃げ切りを決めた。
     「けん制が入ったら前受けも考えていたけど、欲しかった中団からいけた。出切ってからは、晝田君の動きを確認しながら。来たのが見えて要所で踏んでいった感じですね。踏んだり休んだり蛇行もしたりもした。人気になっていたので残らないといけないと思ってペースで踏みました。トップスピードを出し切れていない。前回最終日から新車で、まだアタリを見つけられていない。セッティングをいじろうと思う。富山は重い印象なので、どうやってトップスピードを出すかだと思っている」
     宮越孝治は竹内を差し切るには至らなかったが、地元GIIIの準決へきっちりと駒を進めた。
     「竹内君のペースが凄かった。緩急がうまかった。踏んだりやめたりがすごくて。風もあったり、掛かりも良かったから下手に車間を空けると離れていくと思ってピッタリ付いた。最後は良い所まで迫れたけど、逃げ切られましたね。良いと思うけど、もう少し欲しいなって感じもする。欲を出し過ぎず、現状で頑張りたい」
  • 12R

    北井佑季選手

     南関勢がスタートを取って、北井佑季(写真)は初日同様に前受けからレースを組み立てる。薦田将伍が青板バックで切ろうとするが、北井が突っ張って出させない。北井がそのままペースを上げ、隊列を一本棒にして駆けていく。中団からの坂本周作の巻き返しも、踏み上げた北井とスピードが合ってしまって不発に終わり、直線は南関3車の争い。最後まで力強く踏み直した北井が、圧巻の逃げ切りを決めた。
     「昨日(初日)に続いて、ラインの方々がスタートを取ってくれて前受けからになった。絶対に突っ張りって訳ではなかったんですけど、相手の出方も見て突っ張りになった。自分の中ではペース配分はできた。33なので、うまくコーナーで休みながら走れましたね。昨日も、今日も同じような展開で先行しているけど、今の課題はいつもと違った展開になった時に対応できる柔軟性。明日は相手も強くなるので、しっかり考えて、柔軟に対応していきたい」
     福田知也は最終1コーナーで坂本をブロック。番手絶好かに思われたが、北井の強烈な踏み直しの前に2着をキープするのが精一杯だった。
     「もう見ての通り。あいつ(北井)ヤバい。坂本君を振らなくても大丈夫だったかな。あれで脚が削られた。油断したってわけじゃないけど、振って戻った時にニュートラルに入れ過ぎた。風も強いし、あれだけ踏んで最後も踏み直して、強かった」
  • 10R

    飯野祐太選手

    野口裕史選手

     北日本勢が前受けして取鳥雄吾が中団。周回中に7番手からレースを組み立てた野口裕史は、青板バックを目掛けて勢いよく叩く。突っ張ろうと踏み上げた磯島康祐だが、野口のスピードが良く出切られてしまい、中団に入り直す。野口はそのままペースを緩めずにハイペースで飛ばしていく。打鍾過ぎに中団から再度磯島が仕掛けるが、車は進まず後退。飯野祐太(写真)は自力に切り替えて最終2コーナーからまくり上げる。野口を4コーナー過ぎにとらえた飯野が快勝した。
     「野口さんに磯島がどう対処するかと思って見てたんですけど、野口さんのスピードがあまりにもよくて、これは突っ張れないなと。それなら野口さんを出させて、中団だなと思って位置を確保した。自分は人の後ろで脚をためられたっていうのもあるし、今日(3日目)は軽かった。行けるかなとは思ったけど、野口さんが2周半から駆けてすごいなと思いながら踏んでいった。初日、2日目よりも今日の方がよかったし、修正点はないですね」
     野口裕史(写真)は2周半から一切緩めることなく駆けてレースを支配。番手の中村浩士が付きバテするほどの掛かりで、飯野にはまくられたものの2着に逃げ粘った。
     「北が前なら二段駆けだなと思って、2周半からカマす感じで仕掛けました。周りから今日は重いって言われてたので、上げたスピードをころさずにそのまま駆けました。1着を取れなかったので駄目です。2周半とか、2周からカマして1着を取るのが自分の一つの武器だと思っているので。ちょっと体力的にきついですね。3日間先行するといつも体がきつい。しっかりケアして決勝に備えます」
     飯野を追った泉慶輔が3着で初のGIII決勝へと進出した。
     「ハイペースになるのは予想していたので、自分は余裕はありました。何があっても飯野さんが仕掛けてくれるし、しっかり付いて行こうと思って。中村さんを越えられるのは分かったし、取鳥君だけ対処すれば飯野さんとワンツーだと思ったけど、うまくいかなかったです」
  • 11R

    根本哲吏選手

    竹内智彦選手

     切った根本哲吏を伊藤慶太郎が赤板で叩く。埼玉勢に続いた竹内雄作がすかさず巻き返すが、番手の宮越孝治が離れて伊藤が竹内にハマる。宮越が打鍾過ぎに内から番手に追い上げて前団がもつれると、根本哲吏(写真)がチャンスを逃さず最終2コーナーから仕掛ける。根本は2センターで竹内をまくり切って、1着で決勝進出を決めた。
     「後ろか、後ろ中団からと思っていた。後ろからなら切らないと始まらないし、切ってから行くつもりも持っていたけど、すかさず来た。前がもつれていたし、三宅(達也)さんも離れ気味で態勢を整えるのに時間がかかった。遅めの仕掛けにはなったけどあそこしかない。前がカカっていてきつかったけど富山は相性が良いので乗り越えられた。(痛めた)手の状態は日に日に良くなっている。もう少しカマシなり長い距離を踏みたいけど、連日、すごい先行選手ばかりで見せ場を作れていない」
     竹内智彦(写真)が続いて北日本ワンツー。
     「全て根本君に任せていた。後ろ攻めになったけど、結果的に良かったのかなと思う。いって欲しいタイミングで根本君が仕掛けてくれて付いていけた。今日は風が強くてキツかったけど、楽には付いていけた」
     近藤隆司は8番手で最終周回を迎える。北日本勢を追ったまま流れ込みで3着に入った。
     「後ろより前からスタートしたいと思っていた。今の状態で突っ張るとかのレースは無理なので。いけるタイミングがあればと思ったけど、脚もたまっていなくて。先にまくった根本君とは差があるなと感じた。2周半ハイピッチで前がタレてきてくれて安心した。根本君のいいまくりに付いていっての3着なので。初日、2日目と走って良くなっていると思ったけど、付いていっただけのレース。決勝に上がれて嬉しいけど、自信もなくした。今の状態で決勝に乗れるなんて信じられない」
  • 12R

    伊藤旭選手

    大塚健一郎選手

     北井佑季が自らスタートを取って連日同様前受けからレースを組み立てる。北井が不破将登の上昇を突っ張ってペースに入れ、初手から南関勢を追っていた九州勢が4番手で打鍾を迎える。そこを8番手に置かれた山岸佳太が一気にカマして出切るが、岡田泰地が離れて北井がハマる。最終バックで番手まくりに出た北井と、必死に抵抗する山岸で並んだまま4コーナーに入り、5番手で脚を溜めていた伊藤旭(写真)がその外を突き抜けて1着をさらった。
     「北井さんラインの後ろからと思ってて、大塚さんがその位置を取ってくださって思ってた通りのレースができた。(北井が)突っ張るならしっかり自分の位置を確保しようと思ってました。自分のタイミングで仕掛けられました。昨日(2日目)チェーンと前ギアを変えたんですけど、それが良いですね。GIIIの決勝は3回目。まだ3着にも入ったことがないけど、3着と言わずに1着を取れるように頑張ります」
     大塚健一郎(写真)が伊藤に続いて2着で決勝への切符をつかんだ。
     「(伊藤)旭はトリッキーな動きができるし、そこを見極めて連結を外さないようにと思ってました。北井君が内枠だったし、突っ張りだろうなと。旭のおかげ。強かったです。前を抜けていないけど、流れに応じて走れている。現状は前を抜けるような状態じゃないんですけど、前が着に絡んだ時は自分も車券に貢献できるようにと思って走っています」
     直線で山岸をねじ伏せた北井佑季が3着。10月京王閣記念に続いてGIIIへの決勝へと駒を進めた。
     「1番車で前を取れたので、全部合わせ切るつもりでした。山岸さんがいいタイミングで来てたと思うし、一車で来てたのが確認できて番手に入った。ひと呼吸置いて仕掛けたんですけど、スパンと行き切れずに後ろと決められなかった。結果的に一車で出られた相手に逃げ切られたわけじゃないし、二の脚を使って仕掛けられたので悪くはないです」

 情報提供:日刊プロスポーツ新聞社