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レース展望a prospect

 施設整備等協賛競輪in富山(GⅢ)は11月17日~20日の日程で開催される。小倉競輪祭の直前に行われるためトップクラスは少なく、実力横一線のメンバー構成で優勝のゆくえは混とんとしている。積極的な競走が持ち味の自力型がそろっているので、勝ち上がり戦から激しいバトルが繰り広げられるのは必至。興味津々のシリーズだ。
 サッカーJ3カターレ富山より転身した北井佑季だが、5月に特別昇級を果たしたばかりで、まだS級のキャリアは浅いながら全国各地で先行力を猛アピール。GⅢ初参戦の8月小田原記念で12⑦1着と3連対の激走を演じると、9月平塚1②①着ではS級初優勝を飾った。決勝は単騎ながら先行した野口裕史の後ろを新田祐大と激しい取り合いの末に番手を死守。外並走からまくった新田を追いかけると直線で交わした。持ち味の先行ではなかったものの、先行以外でも戦えることを示した。ここはいつも通りの豪快な仕掛けでGⅢ初Vをゲットするとみて中心視。南関では大石剣士も機動力は一級品。GⅢ開催は一次予選をコンスタントにクリアしている。9月川崎で優勝した東龍之介、差し脚鋭いレース巧者・中村浩士らがそろった南関の自力型を盛り立てる。
 当所は相性がいい竹内雄作を重視する手もある。8月の記念開催は52②⑥着で決勝に乗っているし、16年には共同通信社杯を制している。最近は勝ち星が多いように調子も良好なので、好スパートを決めての押し切りは大いにありそう。9月松阪では3日間逃げて②①②着の皿屋豊も自力攻撃の破壊力には定評がある。基本は自力勝負だが、竹内との連係が叶うようなら前を任せるか。実力者の吉田敏洋はなかなか調子が上がってこないが、底力はあるので軽視は禁物だ。

 7月広島で北津留翼を撃破して優勝した取鳥雄吾の単にも魅力を感じる。その後もオールスター3892着、10月熊本記念1812着など、力強い走りを披露している。仕掛けがツボにはまると首位に躍り出る場面も。高原仁志、北村信明の徳島コンビが取鳥と中四国ラインを形成か。
 九州勢も戦力は整っている。上田尭弥、松本秀之介の熊本コンビに坂本亮馬。松本は自力攻撃が冴えていて、9月小倉で①②①着では今年の初Vをゲットすると、10月熊本記念は準決に進出。タイミング良く仕掛けて主導権を握れば、九州勢から優勝者が出てもおかしくない。
 最近は最終バック先制回数が増えている山岸佳太、共同通信社杯で2942着と気を吐いた飯野祐太も侮れない。うまくレースの流れに乗れれば好勝負に持ち込める。

 

地元選手local racer

    • LOCAL RACER

    • 北野 武史
      【石川・78期・S2】
    •  長らくS級トップクラスで活躍。GⅢの優勝こそないものの、ビッグレースの常連だった。50歳の大ベテランとなったが、しぶといマーク戦法でS級を堅持している。溢れる闘志、しっかりした差し脚は健在だ。

    • LOCAL RACER

    • 松崎 貴久
      【富山・82期・S2】
    •  ここのところ決勝には乗れていないものの、伸びは悪くなく、予選、選抜クラスではよく連に絡んでいる。8月当所の予選は、逃げ切った下井竜の後位を守り切って最後はタイヤ差まで詰め寄った。同格戦は連の対象から外せない。

    • LOCAL RACER

    • 宮越 孝治
      【富山・82期・S1】
    •  A級に落ちた(18年後期)時もあったが、今期はS1班にカムバックを果たした。共同通信社杯は8年半ぶりのビッグレース参戦。一次予選で3着に入り二次予選Bに進出している。その後も予選を連勝。差し脚の鋭さは相変わらずだ。

       

注目選手pickup racer

    • PICKUP RACER

    • 土生 敦弘
      【大阪・117期・S2】
    •  トップスピード、ダッシュ力は一級品。当所は8月の記念開催で32着で準決にコマを進めた実績がある。二次予選は先行して稲垣裕と近畿ワンツーを決め、渡邉一、原田研らを不発に陥れた。一発の魅力を秘めている。

    • PICKUP RACER

    • 佐藤 一伸
      【福島・94期・S2】
    •  今年は5月平塚、6月佐世保とFⅠ戦で2回の完全Vを飾っている。4年半ぶりのビッグレース参戦だった共同通信社杯の一次予選は、新山響の逃げに乗って2着。地力強化を感じさせる。上位戦でも目が離せない。