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開設68周年記念 瑞峰立山賞争奪戦 2019年9月1日

松浦悠士(広島)

松浦悠士が通算3度目の記念V

 茨城3車に、中国コンビ、単騎の自力選手が4人。超細切れの難解レースでも、松浦悠士は思い描いていた完ぺきなレースを成し遂げた。
 「スタートで中団だったので、(吉澤純平を)単騎の誰かが切ってくれるだろうと。(田中晴基が)早めに動いてくれたから、よしよしと思いましたね。(自分が先頭に立ってからは)吉澤さんはしっかり仕掛けてくる選手だから、踏んで合ったところでって思っていました」
 茨城ラインの3番手に飛び付くと、最終ホームから仕掛けてきた渡邉一成に合わせて一気にスパート。バックでは番手まくりの杉森輝大も加わって、3車のまくり合戦を制した。
 「(渡邉)一成さんが見えたので行きました。杉森さんも行くだろうとは思っていたけど、自分で仕掛けようと決めていたので。このメンバーで人気にもなっていたし、期待に応えられて良かったです。しっかりレースをしたので、内容にも文句はないですね。小倉(竜二)さんともワンツーだったし、最高です」
 現在、賞金ランキングで7位に付ける松浦にとって、今回が今年2度目の記念制覇。少しでも賞金を上積みたい状況ではあるが、タイトル奪取にも期待がかかる。
 「自分だけの力でG1を獲るのは難しいから、ラインの力で獲りたいですね。そのためにも、G3は自力で獲れないといけないと思っているので。しっかり自力で勝ててうれしいです」
次走は12日後に迫る共同通信社。年末の大舞台を目指して、結果を残す。

 松浦を巧追した小倉竜二が2着。中四国ワンツーが決まった。
 「車番が悪かったので、(スタートは)出てからどうなるかなと。茨城勢の二段駆けは見え見えでした。松浦君が3車のまくり合戦を良くまくり切ってくれました。(自分は)松浦が(杉森と渡邉の)間だったから、タイミングが取りづらかった。(準決勝で松浦から)千切れたので、2着をキープできて良かったです」

 田中晴基は初手8番手の位置から先に動いて松浦ラインを追走し、確定板入りを果たした。
 「2分戦だったので、茨城勢と中四国勢のラインの間に単騎の誰かが入るだろうと思っていたら、自分を含めて単騎4人がみんな後ろでびっくりしました。誰も動かなかったら、このまま茨城勢が駆けて何もせずに終わると思ったので、自分がレースを動かそうと。結果的に動いて正解だったけど、欲を言えば、どこかでまくりに行きたかったですね。でも、そういうチャンスはなかったですよね。自分でやるからには何かしようと思ったし、動いて松浦君のラインを追うことができての3着だしやった方だと思います」

 最終バックから番手まくりに出た杉森輝大だったが、松浦に飲み込まれて4着でゴール。
 「(渡邉)一成がホームから来たのは分かったけど、松浦が真後ろにいることは分かってなかったです。一成だけ見ていたから、ガッツリではなくて4コーナー勝負って思ったら、松浦が来てしまった。焦って踏んだけど遅かったですね。また茨城勢で連係できれば頑張りたいです」

 動いた田中晴基に続き、直線で鋭く伸びた中本匠栄は5着。
 「田中さんの位置(松浦ライン3番手)が理想だったけど、田中さんが切った上をさらに切る勇気がなかったです。あそこですよね。ダービーの決勝に乗った選手と、久しぶりに記念の決勝に乗った選手の経験の違いですね。せっかく決勝に乗ったのに消極的なレースをしてしまった。もったいない。でも、記念の準決が壁になっていたけど乗り越えられたし、またひとつ、ひとつ頑張るしかないですね。やってきていることは間違っていないと思うので」

 最終ホームから仕掛けた渡邉一成は、3車併走の大外となり7着に敗れた。
 「詰まったところから行こうと思っていました。結果、3車のまくり合いになったから、脚力順になりますよね。番手まくりをまくるにはもう1車、2車前にいないといけなかったです。小倉さんの横までのスピードは良かったけど、コーナーに入ってスピードがあってしまいました。力負けですね。完全に」

レースプレイバック

 松浦悠士とのスタート争いを制た武田豊樹が同県の後輩2人を迎え入れる。隊列は吉澤純平-杉森輝大-武田、松浦-小倉竜二、浅井康太、渡邉一成、田中晴基、中本匠栄の順で落ち着き、周回を重ねる。
 青板前の4コーナーから田中が上昇。中本がこれに乗っていく。田中が誘導員の後位に収まり、この3番手は引いた吉澤と松浦で併走する。外併走の態勢から踏み上げた松浦が赤板前に先頭に立つが、すかさず吉澤が叩いて逃げる。飛び付いた松浦は3番手で粘って武田を弾く。後方8番手となった単騎の渡邉が最終ホームから反撃に出るが、杉森が最終2コーナーから番手まくりを敢行。さらに松浦もまくり上げる。杉森の抵抗を乗り越えた松浦が最後まで力強く踏み切って快勝した。小倉がしっかり続いて中四国ワンツー決着。赤板から四国コンビを追いかける形になった単騎の田中が3着に入った。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 9 松浦 悠士 広島 98期 S1 9.7 まくり
2 5 小倉 竜二 徳島 77期 S1 3/4B 9.6 マーク
3 7 田中 晴基 千葉 90期 S1 3/4W 9.5 マーク
4 8 杉森 輝大 茨城 103期 S1 1/2W 9.8 B
5 6 中本 匠栄 熊本 97期 S1 1/8W 9.5
6 1 浅井 康太 三重 90期 SS 1/2W 9.5
7 3 渡辺 一成 福島 88期 S1 1B 9.9
8 2 武田 豊樹 茨城 88期 SS 3B 9.7
9 4 吉沢 純平 茨城 101期 S1 D 11.4 H

開設67周年記念 瑞峰立山賞争奪戦 2018年9月2日

浅井康太(三重)

単騎でまくった浅井康太

 山中秀将にフタをされ続けた片折亮太が赤板ホームから内をすくって先頭に立つと、浅井康太も1センターで近畿コンビをすくう。「9番手にならないように」と走っていた浅井にとって4番手は絶好のポジション。2コーナーからまくると、合わせて番手から出てきた平原康多との争いに2センターで決着をつけた。
 「あれしかないと思ってた。平原さんが2コーナーで出なかったんで行くしかないと。いつもなら待つけど、モガき合って2、3着になっても力勝負をしようと思ってた。落車明けでも平原さんの調子はよさそうだし、出し切れたのは大きいですね」
 出し切ったオールスターの疲労から直前はなかなか調子が上がらなかったようだが、初日のまくりでその不安を払しょくした。自力に番手とメンバーに応じて戦い抜いたシリーズに「自在屋として評価できる」と浅井は胸を張る。それでも「80点ですね」と自己採点は辛口。そして「GIでだったら100点ですけどね」と続けた。次節は今月14日から高知競輪場で開催される共同通信社杯(GII)。「今後につながる走りはできた」と話す浅井が100点満点をつけるレースに期待だ。

 浅井のまくりに応戦した平原康多だったが、スピードが違い過ぎた。2センターで出切られると、もはや差し返すことは叶わなかった。
 「山中が前まで行くかと思ったけど、フタをされるのは予想外でしたね。でも、あいつ(片折)はあいつのレースをしたと思う。残りそうな雰囲気はあったし、浅井のスピードは合わせられる感じじゃなかった。強かったですね。いい経験ができました」

 埼玉勢が内から主導権を握ると、山中秀将は7番手に置かれてしまう。立て直して1コーナーから仕掛けたが、3着までが精いっぱいだった。
 「(片折を)フタしようとしたわけじゃなくて、山本さんが切らせてくれない感じだったので。そこを無理に叩くと関東勢に楽させちゃうなと思った。フタしてれば何か起こって、自分にとってチャンスになるかなと思ってたら山本さんが内を空けて大ピンチになってしまった。(最後仕掛けたのは)苦肉の策ですけど、3着で何とかですね」

 山本伸一は赤板ホームで内をすくわれたのが痛かった。浅井の仕掛けに続く形にはなったが、外の山中に伸び負け4着に。
 「前を取らされてしまった。山中君が来て、ここだけは突っ張ろうと思って。それで後ろがゴチャゴチャすれば面白かったんですけど、内を空けてしまってはダメですね。もったいなかったです。その後に何とか仕掛けたかったんですが、前に浅井君や平原君がいて厳しかったです。もう少し何かできればよかったです」

 とっさの判断で内から主導権を握った片折亮太だったが、ラインから優勝者を出すことはできなかった。
 「後ろ攻めがよかったけど、中団でフタをされてしまった。一瞬、空いた内を突いて前に出れたので、あとは行けるところまでと思って踏んでました。ラインから優勝者を出したかったんですが、自分の力のなさを感じました。いい勉強になったので、次につなげます」

レースプレイバック

 号砲で各車がけん制してから、山本伸一-古性優作が誘導員を追って前団を形成。以下隊列は、片折亮太-平原康多-宿口陽一、単騎の浅井康太、山中秀将-伊勢崎彰大-大塚英伸の並びで落ち着く。
 山中が青板前から上昇して片折に蓋をする。これを見ていた山本は2コーナーで誘導を降ろし、押さえに来た山中を出させない。山中が下げ切らずにいると、片折は近畿勢をすくって赤板でハナに立つ。浅井も埼玉勢に続く。山本は5番手で、山中が7番手。打鐘、最終ホームと一本棒で通過。4番手を確保した浅井は、2コーナーから満を持してアタック。合わせるように踏んだ平原を軽快なスピードで乗り越える。そのままスピードは衰えず、力強くゴール線を先頭で駆け抜けた。平原は浅井を追いかけるも、差は縮まらず準V。山中は1センターから仕掛けたが、平原のけん制もあって3着までが精いっぱいだった。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 1 浅井 康太 三重 90期 SS 9.4 まくり
2 2 平原 康多 埼玉 87期 SS 2B 9.6 まくり
3 3 山中 秀将 千葉 95期 S1 1W 9.4 まくり
4 7 山本 伸一 京都 101期 S1 1/4W 9.5
5 5 古性 優作 大阪 100期 S1 1B 9.5
6 9 伊勢崎 彰大 千葉 81期 S1 1B1/2 9.5
7 4 大塚 英伸 静岡 82期 S1 2B 9.5
8 6 宿口 陽一 埼玉 91期 S1 2B 10.1
9 8 片折 亮太 埼玉 92期 S2 D 12.4 H B

開設66周年記念 瑞峰立山賞争奪戦 2017年6月27日

牛山貴広(茨城)

牛山貴広が記念初V

 「身近にすごい人(武田豊樹)がいるし、いつかいける気はしていた」。
 デビューから約10年。その言葉が現実になった。輪界をけん引する武田豊樹の背中を追い続けた牛山貴広が、富山の地で記念を初制覇した。
 「まだ実感はないですね。武田さんに見てもらって、ここまでやってきて。厳しい指導のおかげだと思っています。ちょうど一年前に怪我をしたんですけど。家族にも支えられてきたし、記念を獲れて良かったです」
 レースは号砲で牛山が飛び出す。しかし、「木暮(安由)が前が良いと言っていたけど、取れなかった」と濱田浩司とのスタート争いに敗れ、関東勢は後ろ攻め。隊列が激しく入れ替わったが、結局後方に置かれて苦しい展開に。それでも木暮が最終ホームの手前からスパートすると、牛山はしっかりと追走。最後はまくった木暮をゴール前で差し切った。
 「木暮はホームで緩んでいないのに、いってくれて。それが先まくりを防いでくれました。前団を飲み込んだし、強いですね。(関東でワンツー決着は)最高の結果です」
 美酒に酔いしれることなく、理想のスタイルを追い求める。師匠譲りの上昇志向で、今後も激戦に身を投じる。
 「前で走っていた時は後ろの選手が止めてくれていたし。ラインのために走れるような選手になりたいですね。そして(競輪祭の特選の権利が取れたので)また、そこも目標にして頑張りたいです」

 木暮安由は交わされたものの、関東ワンツーを決め納得の様子。
 「よかったですよ。今日は村上(義弘)さんに絶対に勝つ。それだけでした。初日に同じような展開でタイヤ差で負けてますから。ああいう展開は予想してました。僕が切って、郡司(浩平)君、浅井(康太)がいけば、山田(久徳)君がドカンと行くでしょう。そこで自分は落ち着いて行こうと。ホームで緩んだからいきました。レース運びはできたと思います」

 和田健太郎が3着。目標の郡司が内に詰まったが、2センターから外を回すと直線で鋭く伸びてきた。
 「郡司君は浅井君のところでからんでしまったね。それが大きかったけど、それがレースですから。郡司君が前に攻めてくれたおかげです」

 村上義弘は後輩の気持ちを汲んで番手まくりを放ったが、初日の様にはいかず。木暮に屈して4着に終わる。
 「できることなら、ラインで4コーナーを回ってきたかったけど…。木暮君も牛山君も強かった。合わせられると思ったけど、木暮君の脚が違いました」

 浅井康太は4番手好位を取ったものの、郡司に内をすくわれると最終バックで後退した。
 「あそこで無理をしても勝負してもね。ホントにコケたかと思ったし、今後のこともあるんで。そこから内を突っ込もうと思ってたけど、まさか(郡司が)内にいるいるとは思わなかった。最後に脚を使えなかったのは残念だけど、そこまでは展開を上手く組み立てられたので」

 「レースにならなかった」と悔やむのは*郡司浩平。浅井の内を突いたがコースは開かず。
 「体は良かったけど、判断が遅かった。うまく行けばそこから仕掛けようと思ってたけど。近畿勢を中心にレースが回って(自分が)どの位置を取るかだったけど。もうちょっとレースをしたかったですね」

レースプレイバック

 牛山貴広も前をうかがったが、号砲で飛び出した濱田浩司、浅井康太が前受け。周回は浅井―濱田―山田久徳―村上義弘―池田良―郡司浩平―和田健太郎―木暮安由―牛山の並び。
 青板ホームから木暮が動くと浅井は誘導員を残して車を下げる。その上を郡司が叩いて2センターで先頭に立つが、山田の動きを制して前に出た浅井が山田の上昇を待って中団4番手を確保する。先頭に立った山田は打鐘からペースアップ。番手の村上は早々と車間を切って別線の反撃に備える。4コーナーから内をすくった郡司は濱田を飛ばして浅井後位に。8番手の木暮がホームから巻き返すと、合わせて出ようとした浅井は内に詰まってズルズルと後退。車間を詰めた勢いで村上がバックから番手まくりに出たが、浅井にからまれてからも外を粘り強く踏んだ木暮に直線で飲み込まれてしまう。続いた牛山がゴール前で木暮をとらえて記念初優勝。郡司マークから直線外を回した和田が3着に突っ込んだ。

車番 選手名 年齢 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
9 牛山 貴広 36 茨城 92 S1 9.8
5 木暮 安由 32 群馬 92 S1 1/2身 9.9
3 和田健太郎 36 千葉 87 S1 1輪 9.7
1 村上 義弘 42 京都 73 SS 3/4身 10.2 B
6 濱田 浩司 38 愛媛 81 S1 1/2身 9.8
4 池田  良 31 広島 91 S1 1/2輪 10.1
7 郡司 浩平 26 神奈 99 S1 1/2身 10.1
2 浅井 康太 33 三重 90 SS 9身 11.0
8 山田 久徳 29 京都 93 S1 大差 12.6