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富山記念レース展望 瑞峰立山賞争奪戦

脇本雄太、渡邉一成 、海老根恵太、大塚健一郎

群雄割拠の戦国レース

13日からの富山記念は、主力選手が各地区に分散し、群雄割拠の激戦シリーズ。脇本雄太、渡邉一成の力比べに、まずは注目が集まりそうだが、唯一人のS級S班となる神山雄一郎も大会制覇に虎視眈眈。4日間、短走路を舞台に繰り広げられる迫力のレースを見逃すな!

 各地区に実力者がそろったが、なかでも注目を集めるのは、脇本雄太と渡邉一成のナショナルチーム対決だろう。

 まずは近畿ラインを率いる脇本から。脇本は高松宮記念杯、寬仁親王牌とG1で連続優出、7月の地元福井記念を⑨①①❶着で大会連覇を達成と絶好調。全日本選抜、共同通信社杯の落車で負った怪我の影響もなくなり、〝先行日本一〟を改めて印象付ける走りが続いている。しかも、トレードマークの先行だけでなく、最近はまくりに回されても強さを発揮しているのだから死角は少ない。12年5月以来、久々となる当所で勇姿を見せ付ける。脇本を守り立てるのが南修二。最近は勝ち味に遅く2、3着が目立つ戦績ながら、寬仁親王牌で2連対、8月青森を準Vの堅実な走りは評価できる。近畿では、山田久徳も注目の機動型だ。

 渡邉も6月取手記念をV、寬仁親王牌で優参と近況の良さでは脇本に負けていない。5月の全プロ1キロTTでは雨の中、ダントツの1分03秒497の自己ベストをマークして優勝。スピードとダッシュでは競輪界の頂点に立つ存在だ。得意の短走路で脇本との力勝負は見ものとなる。7月に函館、青森を連覇するなど差し脚の切れは目を見張るレベルの和田圭、5月の武雄記念で優出するなど勝負強い岡部芳幸が渡邉を目標に上位進出を目指す。また、成長著しい若手・櫻井正孝も勝ち上がってくれば、北日本は強力なラインができ上がる。

神山雄一郎、吉田敏洋、小嶋敬二

 海老根恵太が南関勢の大将格となって指揮を執る。一時の不調から脱し、本来の力強さが復活。6月別府記念では準決勝で敗れたものの1②⑤②着と3度確定板入り、7月取手では渡邉晴智を連れてまくり優勝している。近藤隆司はここ最近で急成長し、今一番勢いに乗っている選手。6月の当所では完全優勝を達成すると、寬仁親王牌③③⑥①着、四日市記念2①①❾着とまさに破竹の勢いだ。大舞台での経験値も着実に増しており、次は重賞Vだ。成清貴之、五十嵐力、勝瀬卓也も上位をうかがう。

 関東にも唯一人のSS班となる神山雄一郎を筆頭に、池田勇人、牛山貴広、稲村成浩と実力者がそろう。神山は競輪界のレジェンドとして、今年で47歳にして競輪界のトップに君臨。4月共同通信社杯で4年ぶりのビッグタイトルを手にするなど、まだまだ進化を見せる。今節は7月福井記念で2連対と復調気配の池田など機動型を強力援護し、大立ち回りを演じるか。牛山も。8月豊橋記念で②落②❸着と久々のヒット。最近は自力での連対はないが、神山に任されたケースでば、前々へと積極的に攻め上がろう。

 大塚健一郎、山田英明、服部克久の九州勢も侮れない。大塚は6月別府記念で2度の落車も、寬仁親王牌①③④①着で不安を一蹴してみせた。好調時の感覚が戻ってくれば、鬼脚発揮の場面が見られよう。原点回帰の自力勝負で勢いが取り戻した服部の動向も見逃せない。7月松山、8月青森を連覇しているのはダテではない。

 大駒を欠く中部勢は機動力上位の吉田敏洋を軸に奮起。高いモチベーションと総力を集めて他地区に対抗しよう。吉田に加え、地元記念へ調整に余念がない小嶋敬二、支部長の宮越大、昨年に復活を遂げた岩本和也、さらに山口富生らが開催を盛り上げる。

選手直前インタビュー

小嶋敬二
小嶋 敬二【石川・74期】
 毎年、怪我に泣かされてきた小嶋だが、5月宇都宮記念では初日に逃げ切るなどシリーズを1382着とまとめた。「そつなく来れてますね」と今年はこれまで順調で、後半戦へと折り返した。そして、毎年恒例の地元記念に向けて調整が進む。
 「僕は石川だし、富山の人もいるんであまり『地元、地元』と意識しないようにしてるけど、周りからの期待を感じるので、しっかり走れる準備はしておかないと」
 学校の部活の指導で多忙を極め、6月は競走を休んだが、変わらず状態に不安はないようだ。
 「とにかく忙しくて、疲れもあって走れる感じではなかったので。このあと1カ月半あるんで徐々に上げていく感じ。最近は33バンクの成績が良くないけど、直前に防府が入ったんで良い方に向いたなと。そこで感じをつかみたいね。今年は支部長(宮越大)、副支部長(岩本和也)が出るので、代表選手として3人でラインが組めればいいし、皆で盛り上げていきたいですね」

地元選手の直前コメント

宮越大
宮越 大【富山・77期】
「まずは、富山記念競輪に参加できる事を心より感謝しとても嬉しく光栄に思います。
 今年は2月に落車で長期欠場、5月に腰痛で長期欠場となかなか走れていない前期でしたが、だいぶん体調も戻ってきています。富山記念をどれだけの調子で挑めるかは分かりませんが多くのファンの皆様方の前で、気持ちの入ったレース(走り)が出来るよう、精一杯頑張らさせていただきます。
 富山記念は誰にも負けたくないぃぃぃ~~~」
大庭正紀
大庭 正紀【富山・70期】
「ファンの皆さんに納得してもらえるような、いいレースができるように頑張りたい」
竹澤浩司
竹澤 浩司【富山・90期】
「やっぱり地元なだけに普段以上に気持ちも入っていますし、一意奮闘して頑張りたいと思います」
竹田慎一
竹田 慎一【富山・94期】
「昨年に続き、地元記念に参加させて頂ける事を、同支部参加選手とともに大変嬉しく思っています。S級へ昇格してから1年が経ち、競輪、上位選手の素晴らしさを改めて感じています。
 4日間、厳しいレースになると思います。気持ちを引き締め、練習で身に付けたものを出し切る事だけを考え、ファンの皆様の期待に応えられるように頑張ります。
 皆様、声援よろしくお願いいたします」
小嶋敬二
小嶋 敬二【石川・74期】
「富山記念は一年に一度の富山でのレースなのでまずは参加出来ることを大変嬉しく思うと共に夏がきたんだなと思います。
 さて富山記念の意気込みと言われても初めのころは一つでも上を走りたい!決勝に乗りたいという気持ちが強く空回りした時期もありました。しかし優勝したことをキッカケに毎年毎年優勝を目指して全力でかけぬけてきましたが・・・
 最近は怪我などで自分自身でも納得のいくレースが出来ていませんが、今年は宮越支部長や岩本くんなどの調子の良い地元選手が沢山走りますので、僕はその走りをサポートしながら、自分自身納得のいく走りを応援していただくファンの皆様の前で走りたいと思います。
 今年最後の富山競輪の走りを是非ファンの皆様の目 耳 肌で感じてください。宜しくお願いします」
岩本和也
岩本 和也【石川・76期】
「今年40歳になりました。競輪選手になって20年の節目に地元記念を走れる事は気合いも入りますし、とても嬉しく思います。
 昨年はイベント等で参加させてもらい、バンクの外からから地元記念を観ていました。その時思った事を常にイメージしてレースやトレーニングに励んできました。ひたすら高みを目指し一生懸命頑張ります。
 ファンの皆様の声援が一番の力になりますので是非とも本場でも応援よろしくお願いします」
坂上樹大
坂上 樹大【石川・80期】
「今回は、地元記念なので一走、一走、全身全霊ですべてのレースを一着とるつもりで走ります!!」

注目選手

渡辺正光
渡辺 正光【福島・95期】
 堅実な走りに定評があり、目標をつかむとしっかりチャンスをものにする。マーク選手として地位も上昇中。今節、上位進出も可能だ。
岡崎智哉
岡崎 智哉【大阪・96期】
 長いスパンで様々な課題に取り組み、見事にこれを克服した。成績が急上昇し、記念開催でも上位選手を相手に好走することが多い。
金子幸央
金子 幸央【栃木・101期】
 2月に特進してから勢いそのまま快進撃。6月の小田原で初優勝を達成した。今節も1予は中心となり、勢いに乗れば準決、決勝までありそう。
浦川尊明
浦川 尊明【茨城・80期】
 大ギア規制の影響はなく、持ち味のキレを維持している。6月別府記念の2予では矢口啓、神山雄の3番手から直線一気のアタマ。今節も魅せるか。